2017 Fiscal Year Research-status Report
Metomidateを使った原発性アルドステロン症の新たな診断法の確立
Project/Area Number |
17K16417
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
外山 由貴 東北大学, 大学病院, 助手 (30770862)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 11C-Metomidate / 副腎腺腫 / 原発性アルドステロン症 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度には、代表研究者が4月に横浜で開催された日本医学放射線学会にて「副腎のPET imaging」の教育演題を発表し、優秀演題賞を受賞した。 また、東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンターとの連携のために核薬学研究部の舟木博士と連絡を取り合い、ミーティングを行った。11C-Metomidateの合成に先駆けて、まずは18F-etomidateの合成を行った。放射性化合物の副腎での分布を調べるために、オートラジオグラフィーの手法を用いた。オートラジオグラフィーではヒトの副腎組織が必要なため、当院の内分泌科、病理診断科に協力を仰ぎ、原発性アルドステロン症患者の腺腫の標本を使えるように倫理申請を行い、その許可を得た。18F-etomidateではアルドステロン産生腺腫内部よりも辺縁の付属副腎組織への集積が強いことがわかった。これらの実験の後、11C-Metomidateの合成を確立した。11C-Metomidateでもヒト副腎腺腫の組織検体を用いてオートラジオグラフィーを行った。11C-Metomidateでも18F-etomidate と同様にアルドステロン産生腺腫内部よりも辺縁の付属副腎組織への集積が強いことがわかった。 動物への投与実験を行い、動物用のPET/CTで撮像を行った。両化合物は概ね同様の体内分布をとることが分かったが、文献と同様に18F-etomidate の方が体内からのWash outが早いことが分かった。 現在は数例の健常者投与を行うため、倫理申請等の準備をしている段階である。この申請にはヒトでの11C-Metomidateによる被ばくの影響を調べるためにさらに多くの動物実験が必要になる。このため、東北大学薬学部の学生をアルバイトとして雇い、動物実験を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
東北大学ラジオアイソトープセンターとの連携のために核薬学研究部の舟木博士と連絡を取り合い、ミーティングを行った。11C-Metomidateの合成に先駆けて、まずは18F-etomidateの合成を行った。放射性化合物の副腎での分布を調べるために、オートラジオグラフィーの手法を用いた。オートラジオグラフィーではヒトの副腎組織が必要なため、当院の内分泌科、病理診断科に協力を仰ぎ、原発性アルドステロン症患者の腺腫の標本を使えるように倫理申請を行い、その許可を得た。18F-etomidateではアルドステロン産生腺腫内部よりも辺縁の付属副腎組織への集積が強いことがわかった。これらの実験の後、11C-Metomidateの合成を確立した。11C-Metomidateでもヒト副腎腺腫の組織検体を用いてオートラジオグラフィーを行った。11C-Metomidateでも18F-etomidate と同様にアルドステロン産生腺腫内部よりも辺縁の付属副腎組織への集積が強いことがわかった。 動物への投与実験を行い、動物用のPET/CTで撮像を行った。両化合物は概ね同様の体内分布をとることが分かったが、文献と同様に18F-etomidate の方が体内からのWash outが早いことが分かった。 現在は数例の健常者投与を行うため、倫理申請等の準備をしている段階である。この申請にはヒトでの11C-Metomidateによる被ばくの影響を調べるためにさらに多くの動物実験が必要になる。
|
Strategy for Future Research Activity |
現在は数例の健常者投与を行うため、倫理申請等の準備をしている段階である。この申請にはヒトでの11C-Metomidateによる被ばくの影響を調べるためにさらに多くの動物実験が必要になる。このため、東北大学薬学部の学生をアルバイトとして雇い、動物実験を行う予定である。 その後に倫理申請を行い、許可が下りた後に約6人ほどの健常者への11C-Metomidateの投与実験を行う。これには研究責任者が付き添い、体調の変化などの異常がないか注意深く観察する必要がある。東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンターにはCTがないため、事前に大学病院でCTを撮像しておく必要がある。健常者の移動にはタクシーを用いる。薬剤の投与後には東北大学サイクロトロンラジオアイソトープセンター内のPETで動態撮像を行う。ここで文献通りの体内動態をとるかどうか確認する。 また6名の被験者のうち2名ほどにはステロイドを内服してもらう。ステロイドを内服することで、副腎はコルチゾールの生成を抑える働きにより、11C-Metomidateの副腎への集積が抑えられるとされ、これを確認する。 この健常者投与を終えられた後に、原発性アルドステロン症の患者を対象に11C-Metomidateの投与の臨床試験を行う予定になっており、これを平成30年度以内に達成するのが目標である。 11C-Metomidateを18F化する実験は今のところ行っていないが、これに代わる別の18F-製剤の研究を進めている。
|
Causes of Carryover |
当年度は核薬剤合成のためのストックがあったため、支出を抑えることができた。また、健常ボランティアへの謝金などは、当初の予定通りに行えなかったため、来年度に持ち越すことになった。
|