2017 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療後DNA損傷応答による腫瘍細胞PD-L1発現誘導の分子機構の解明
Project/Area Number |
17K16420
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
佐藤 浩央 群馬大学, 重粒子線医学推進機構, 助教 (90750571)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 放射線腫瘍免疫 / 炭素イオン線照射 / X線照射 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度の研究計画として、1. ATM阻害剤投与下での、X線照射による腫瘍細胞のPD-L1発現が低下することを確認すること、2. siRNAと共培養でBRCA2, ku80をノックダウンした腫瘍での、X線照射による腫瘍細胞のPD-L1発現の増加を確認すること、以上二つを掲げた。 1. について、B16マウスモデルで実験を開始したが、B16が本来有する色素のため、免疫染色での評価が困難であった。そこで、移植腫瘍細胞を4T1に変更し実験を継続した。両下肢に腫瘍を移植し、ATM阻害剤を腹腔内投与し、右下肢のみ放射線照射を行い、48時間後にマウスを安楽死させ腫瘍組織を回収した。免疫染色にて、PD-L1発現及びCD8陽性細胞の浸潤レベルの比較評価を行ったが、ATM阻害剤腹腔投与群と投与なし群で、明らかな差を認めなかった。2. については現時点で未施行であるが、それに代わり、現在は、当初予定していたX線照射後と、重粒子線(炭素イオン線)照射後のPD-L1発現率の差、CD8陽性細胞の浸潤レベルの差について解析を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上述の通り、当初予定していた二つの実験のうち一つの実験を、変更し遂行中であるため、おおむね順調に進展していると判断した。具体的には、マウス移植腫瘍に対するX線照射後と、重粒子線(炭素イオン線)照射後のPD-L1発現率およびCD8陽性細胞の浸潤レベルの差について解析を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
マウス移植腫瘍に対する、X線照射後と重粒子線(炭素イオン線)照射後のPD-L1発現率およびCD8陽性細胞の浸潤レベルの差について解析を完了する。申請者の過去の報告から、重粒子線照射の方が、X線照射よりもPD-L1発現誘導が亢進すると予想される。そこで、照射後のPD-L1発現亢進が抗PD-1/PD-L1抗体治療による腫瘍増殖抑制を増強させるかを評価する。具体的には、治療方法を以下の4群に分けて解析する;①X線照射+抗PD-1/PD-L1抗体投与群、②重粒子線照射+抗PD-1/PD-L1抗体投与群、③抗PD-1/PD-L1抗体単独群、④未治療群。腫瘍細胞株は4T1使用する。
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Causes of Carryover |
平成29年度の実験計画を一部変更したため、当初使用予定であった試薬(siRNA二種類)を購入しなかった。平成30年度に、変更後の実験が完了した後に改めて購入を検討している。
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Research Products
(6 results)
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[Presentation] Molecular mechanism of PD-L1 upregulation in cancer cells after X-ray irradiation.2017
Author(s)
Sato H, Niimi A, Yasuhara T, Isono M, Oike T, Nuryadi E, Kakoti S, Yoshimoto Y, Held KD, Suzuki Y, Kono K, Miyagawa K, Nakano T, Shibata A.
Organizer
ASTRO’s 59th Annual Meeting.
Int'l Joint Research
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[Presentation] NA repair pathway regulates PD-L1 expression in cancer cells.2017
Author(s)
Sato H, Niimi A, Yasuhara T, Isono M, Permata TBM, Sekine R, Oike T, Nuryadi E, Kakoti S. Yoshimoto Y, Held KD, Suzuki Y, Kono K, Miyagawa K, Nakano T, Shibata A.
Organizer
免疫多様性とがん治療 国際シンポジウム
Int'l Joint Research
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