2017 Fiscal Year Research-status Report
プレターゲティング法による211Atのα線治療への応用
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17K16426
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
鈴木 博元 千葉大学, 大学院薬学研究院, 助教 (00707648)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | アスタチン / プレターゲティング / α線治療 / 水溶性リンカー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、アスタチン-211(211At)によるα線治療に適したプレターゲティング用薬剤の開発である。プレターゲティング用薬剤は、抗体に導入した標的分子と選択的かつ速やかに結合可能な構造を分子内にもち、正常組織に集積せず、生体内から速やかにクリアランスされる必要がある。そこで本年度は、211At標識プレターゲティング用薬剤開発に向けて、211Atと同族元素であるヨウ素-125(125I)を用いてプレターゲティング用候補薬剤を合成し、その体内動態の基礎的評価を行った。当初の計画では、プレターゲティング用薬剤の母体としてビオチンの利用を計画していたが、免疫原性を低減できる等の理由からテトラジン誘導体を母体構造として合成を行った。125I標識部位のアミノ基からコハク酸リンカーを介してテトラジンを結合させた薬剤をマウスに投与したところ、投与後早期から肝臓、および腸管に高い集積を示した。一方で、水溶性リンカーとしてトリグルタミン酸を導入した薬剤は肝臓や腸管への集積を低減した。非特異的な正常組織への集積を低減できたことから、本薬剤はプレターゲティング用薬剤としての応用が期待できる。水溶性リンカーとしてPEG6を導入した候補薬剤もすでに合成を終えている。今後、その体内動態をトリグルタミン酸リンカーを導入した薬剤と比較検討することで最終的な候補薬剤を決定する予定である。また、コハク酸リンカーを有する薬剤を用いて211At標識を行い、125Iと同様の手法により211At標識が可能であることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
より良い候補薬剤の導出に向けて検討予定の候補薬剤はあるものの、当初の予定通り、プレターゲティング用薬剤として適した体内動態を示す候補薬剤を導出できている。
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Strategy for Future Research Activity |
候補薬剤を用いて、実際にプレターゲティングを実施する。その際には、125I標識体による事前検討を行った後、211Atへ展開する。
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