2019 Fiscal Year Research-status Report
超低線量小児心臓動態CTと冠動脈CT-FFRを応用した非侵襲的な肺血流測定
Project/Area Number |
17K16428
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
前田 恵理子 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (00401084)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
Keywords | 超低線量小児心臓CT / 面検出機 / CT-FFR |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度までに本研究の基盤となる、従来の1/20程度の超低線量で行う小児心臓CTの撮像技術を確立した。2019年度には、もう一つ基盤技術である、模擬心電図を用いた撮像法を確立し、論文投稿を行った(Maeda E et al., Pediatric Radiology 2019)。従来心電同期CTは、患児に心電図の電極を貼付ふし本人の心電図を取得して撮像を行うのに対して、模擬心電図を用いた撮像では、心電計のテスト波形を心拍数150bpmにて出力し、これをtriggerとして心電同期撮影をするものである。心拍数が120-150(RR間隔にして400-500ms)程度と速い乳幼児の320列CT(ガントリー回転速度=最短撮像時間275ms)撮像においては、任意のタイミングで曝射すれば、RR間隔の55-67%(275/500=0.55、275/400=0.67)がカバーされることになり、高心拍で心内構造や冠動脈が止まる収縮期が必ず含まれる。このため、模擬心電図を用いることで、電極貼付に伴う表皮剥離の防止や、鎮静後に電極を貼ることで患児を起こしてしまうリスクを低減することができる。 冠動脈と小児肺動脈の形態的類似性から、冠動脈機能的血流予備比 (CT-FFR)の機能を用いて肺動脈CT-FFRを計算する段階については、冠動脈CT-FFRの機能をそのまま肺動脈に適応することは、アプリの制約上困難で合った。そこでまず、CTで得られた形態情報から市販の解析ソフトを用いて数値流体解析を行うこととし、カテーテル検査で得られ流速や圧と対比させることでその信頼性を検証しているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
採択後の3年間に研究代表者が6回の肺癌再発を繰り返しているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
通常の数値流体解析で得られる流速から、ベルヌーイ式を用いて圧を推定し、カテーテル検査で得られた肺動脈圧と比較することで妥当性を検証する。そのうえで、肺動脈CT-FFR算出を試みパラメータ設定を行う。CT-FFRに換算することで誤差が大きくなるようであれば、この先の研究を通常の流体解析ベースで行うことも考慮し、肺血流減少群、増加群それぞれにおいてパラメータ設定の最適化を行う。
次年度使用が生じた理由と使用計画 研究代表者の体調および新型コロナの影響で、予定していた海外学会に参加できていないため。今後の新型コロナの状況次第だが、今後北米あるいは欧州の放射線学会が開催される際は、研究費から旅費を拠出したいと考えている。
|
Causes of Carryover |
研究自体の遅れに加え、年度末に参加を予定していた海外学会が新型コロナウイルス感染症のために相次いで中止となり、旅費の使用が延期されたため。
|
Research Products
(5 results)