2018 Fiscal Year Research-status Report
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17K16443
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
海地 陽子 広島大学, 病院(医), 病院助教 (10629009)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | functional MRI / 読影 / 疲労 |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度は放射線科診断医の読影時の脳活動をfunctional MRI(以下fMRI)で記録した。 近年、CT やMRI 等の画像機器の技術的進歩は著しく、空間分解能・時間分解能の向上により患者一人当たりの画像データは飛躍的に増加した。一方では、我が国の放射線診断専門医の数は米国のわずか1/4であり、すべての画像について診断報告書を臨床科に提供できていない施設が多い。さらに、臨床の現場では、検査数の増加に加え、検査依頼医から放射線診断専門医に対して迅速な読影を求められることがしばしばあり、一件当たりの読影に費やす時間は短縮している。このような状況は放射線診断専門医の過重な労働負荷を招来しており、それに起因する読影時の病変の見逃しや誤診が、現在、問題化している。申請者は、このような背景から、放射線診断医の画像の読影方法の見直しや読影環境の調整が喫緊の課題であると考えた。 fMRI はMRI を利用して脳活動に関連する血流動態の変化を検出する手法の一つである。fMRI を用いて非侵襲的に脳活動の亢進部位や低下部位を視覚化することができる。fMRI は、画像の読影時の脳活動にも応用可能と考えられるが、放射線診断医の読影時の脳活動に関するfMRI の報告は過去に全く無く、読影時の疲労に伴う脳活動の変化も全く解明されていない。 本研究の目的は、放射線診断医の画像読影時の脳活動を解析して、見逃しや誤診を防止するための効率的な読影方法の開発や読影環境調整の基礎を築くことである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
放射線科診断医13名の読影時の脳活動をfunctional MRIで記録した。
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Strategy for Future Research Activity |
得られたデータをSMPを用いて解析し、読影時の脳活動について検討する。
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Causes of Carryover |
fMRI撮像の際に被験者に画像を見せるモニターを当院精神科から借用できたため、モニター代を使用しなかった。このため使用金額が予定よりも少なくなった。 今後は学会出張、研究に関する機器等購入、英文校正等に使用する予定である。
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