2017 Fiscal Year Research-status Report
実験肺腫瘍へのラジオ波凝固療法と化学療法併用によるプラチナ製剤の組織内分布の検討
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17K16473
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
植木 愛 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (30551155)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | RFA / プラチナ濃度 |
Outline of Annual Research Achievements |
RFA後にliposomal doxorubicin(ドキシル)を投与すると焼灼された腫瘍周囲の鬱血帯に薬剤が集積し、局所制御率が改善したという基礎実験が報告されている。また、我々の過去の研究でもVX2肺腫瘍モデルに対してRFAと局所進行肺癌の標準治療となっているPlatinum-Based Doublet Chemotherapy(白金製剤と抗癌剤の併用する化学療法)を併用することにより有意に生存期間が延長したことを報告した。このことから、Platinum-Based Doublet Chemotherapyを併用してもRFA後の鬱血帯に薬剤が集積することが想定され、研究をすることとした。今回の研究では実験肺腫瘍のRFA後の腫瘍内、焼灼された腫瘍辺縁の鬱血帯、腫瘍外の正常肺のプラチナ濃度の定量評価/薬剤分布を評価し、RFAと化学療法の併用の有効性を証明する。このためにうさぎVX2肺腫瘍モデルを作成し、RFA施行直後に臨床例を参考に抗癌剤(シスプラチン(CDDP)5mg、パクリタキセル(PTX)15mg)を静脈内投与した併用群とRFAを施行せずに抗癌剤の静脈内投与のみを行った抗癌剤単独群を作成する。それぞれ治療6時間後、3日後、1週間後に採血にて血清プラチナ濃度を測定する。また治療1週間後に過量の麻酔でウサギを固定し、治療した肺を摘出し腫瘍部、腫瘍辺縁の鬱血帯、正常肺の3部位のプラチナ濃度を測定し、正常肺と比較して腫瘍ないし腫瘍編の鬱血帯に有意にプラチナ製剤が集積しているか統計学的評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
統計学的解析が可能な最小N数のデータを評価したが、今のところ有意差はでなかった。焼灼範囲辺縁の鬱血帯の範囲がかなり小さいために正常肺の混在の割合によってプラチナ濃度に差が生じ、有意差が出なかった可能性はある。再度摘出方法を検討し、N数を増やす必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
平姓30年度は再度プラチナ濃度を測定する肺の部位の摘出方法を検討し直した上でサンプルモデルを作成、データの収集を行う。主に研究成果で得られたデータをまとめ、統計解析を行い、画像と組織との詳細な比較検討を行う。実験結果をまとめ、国内外の学会および研究会等での発表や英文学術雑誌の投稿を行う。
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Causes of Carryover |
(理由) 実験計画ではサンプルモデル数を更に増やす予定であったが、統計学的解析が可能な最小数の結果で有意差が出なかったために再度実験方法(評価部位の摘出方法)の検討が必要となったために予定学より使用額が少なくなった。 (使用計画) 本年度は評価部位の摘出方法を検討し直した上で再度統計学的解析が可能なサンプルモデルを作成、評価し、適宜公表していく。
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