2017 Fiscal Year Research-status Report
リポソームを用いた腎毒性を低減させる新規造影剤の開発
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17K16475
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
越智 朋子 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 診療助教 (60773273)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | イオパミドール内包リポソーム / 造影剤腎症 / リポソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
画像検査の件数がますます増加している中、診断能の向上に必須となるヨード造影剤の副作用である腎毒性は、高齢者、慢性腎不全患者の増加が見込まれる本邦においては 重要な問題となっており、腎毒性を低減できるヨード造影剤の開発が期待されている。そこで本研究は、ドラッグデリバリーシステム(DDS)の分野で使用されているリポソームに着目した。リポソームにヨード剤(イオパミドール)を内包させることで、腎毒性を低減させるヨード造影剤を開発し、その体内動態の解明や画像による可視化をすることを目的とする。 イオパミドール含有リポソーム(Iopamidol-liposome: IPL)による腎毒性の評価、腎機能への影響に関する既存のヨード造影剤との比較のため、ラットの造影剤腎症モデルの作成を行った。12週齢の雄性F344ラットに麻酔下で右腎2/3を結紮し閉腹し、1週間後に再び麻酔下で左腎を全摘出し閉腹する。右腎結紮前・左腎摘出後に採血により腎機能測定を行っているが、腎障害モデルの安定した確立はできていない。腎障害を起こすことに成功した何例かのラットを用いて、既存造影剤を6~10ml/kg投与し、尿蛋白、血液生化学検査を行い腎機能の推移を確認している。また組織学的に尿細 管への影響について比較検討している。 動物用CTを用いて腎動脈結紮前、腎摘出前、腎摘出後のラットの腎のvolumetryをおこない、腎機能の変化と腎容積の変化の関係について検討している。 IPLの開発に成功した。今後、安定して大量に調整できるよう準備している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ラットの造影剤腎症モデルを作成が難航しており、若干遅れているが、おおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
安定したラットの造影剤腎症モデルの確立のため、腎動脈の結紮の強さの調節、造影剤投与量の調節、造影剤投与前の飲水制限などを行う。 造影剤腎症モデルの確立後は、IPL・通常造影剤の投与を行い、血液検査・尿検査により腎機能への影響を評価、また腎の組織学的な変化につき検討を行う。 細網内皮系に対するIPL投与の影響について、血中イオパミドールの定量、投与後の血中・尿中のイオパミドール濃度、更に分解物のヨウ素の定量を実施し、明らかにする。
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Causes of Carryover |
動物購入時期がずれたため。
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