2017 Fiscal Year Research-status Report
超音波弾性画像を用いた動注化学療法に対する抗腫瘍対効果判定の基礎研究
Project/Area Number |
17K16477
|
Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
太地 良佑 奈良県立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (60773265)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 動注化学療法 / RCN-9腫瘍移植ラット / 造影超音波 / time intensity curve / 抗腫瘍効果判定 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はVX2腫瘍移植家兎に対して超音波検査を施行してきた。腫瘍が予想以上に深い箇所に形成されてしまい、経腹壁からの観察ではコントラスト分解能を保てないことが判明した。また、VX2腫瘍では中心壊死が大きく、低コントラストのなか腫瘍内の実質と壊死組織の比率を超音波で測定することが困難であった。そのため、対象動物をラットに変更し、RCN-9を使用した大腸癌肝転移モデルの作成を行っている。また、現時点で動物用の超音波装置では適切な条件でのエラストグラフィを行えなかったため、代替案としてラットのための造影超音波検査を確立した。超音波造影剤のソナゾイドを用いてラットの尾静脈より造影超音波を施行する。ソナゾイドを用いたラットの実験では臨床用量の等倍、10倍、100倍で報告されている。我々も様々な濃度にて大腸癌肝転移モデルに対して造影超音波を施行した際、最も良好な造影効果を得られたのは臨床用量の20倍の濃度であった。この方法を基に造影超音波を実施し、大腸癌肝転移モデルの腫瘍径を治療前に計測する。その後、生理食塩水(コントロール群)、イリノテカン(CPT-11)、NK012(CPT-11の前駆体)の三群にランダムに分ける。それぞれの群に対して尾静脈から静注、肝動脈から動注する。各群の腫瘍径の変化から抗腫瘍効果を評価する。また、造影超音波にて治療後0、3、7、10日目のTIC(time intensity curve)を算出し経時的に観察している。これまで腫瘍径の評価による抗腫瘍効果は証明されてきたが、早期予測因子に関していまだ議論されていない。そのため我々は腫瘍径変化とTICの各種パラメータの推移の関連性の有無を評価している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
対象動物をVX2腫瘍移植家兎からRCN-9腫瘍移植ラットに変更したため、大腸癌肝転移モデルの作成に難渋し、熟練を要した。
|
Strategy for Future Research Activity |
引き続きRCN-9腫瘍移植ラットに対して造影超音波検査による抗腫瘍効果判定の評価を続行する予定である。
|
Causes of Carryover |
ラット腫瘍モデル作成において動物、細胞購入に予算が必要であった。IVR手技を実施するにあたっての道具などにも予算が必要であった。
|