2017 Fiscal Year Research-status Report
STIC法を用いた造影頸動脈超音波検査によるプラーク内新生血管の観察
Project/Area Number |
17K16478
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
大浦 一雅 岩手医科大学, 医学部, 助教 (20611015)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 造影超音波検査 / 頸動脈プラーク / プラーク内新生血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
頸動脈プラーク内の新生血管がプラークの不安定性に関与するとの報告があり、プラーク内新生血管の評価は内部性状を判定する上で注目されている。現在、プラーク内新生血管を評価する方法には超音波造影剤(保険適応外)を用いた造影超音波検査があるが、検者の技量によって結果が左右されること、1断面のみの評価となりプラーク全体を評価することが困難であるという問題がある。 本研究では頸動脈内膜剥離術を施行予定の患者に対し、Spatio-temporal image correlation(STIC)と呼ばれる技術を利用し、超音波造影剤を用いてプラーク内全体の造影効果をvolume dataとして保存、再構成することで立体的に評価する。その結果を従来の2次元造影超音波検査と比較し、また頸動脈内膜剥離術によって得られた病理標本と対比することによって、どちらがより正確に病理標本中の新生血管を反映するかを明らかにする。
平成29年度は実際に頸動脈内膜剥離術の術前患者を対象にSTIC法および従来の2D造影超音波検査を行い、術後の病理標本についての評価を行った。実際の術前患者では石灰化による音響陰影のためプラークやプラーク内新生血管の観察が困難である場合や、プラーク自体が深い位置にあるため、従来の2Dプローブでは観察できても高周波の3D/4Dプローブでは観察が困難な場合が多くみられることが分かった。引き続き患者の登録を進めるとともに、超音波検査装置の設定を見直す必要があると考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
石灰化による音響陰影のためプラークおよびプラーク内新生血管の観察が困難である例が多く、対象者が予定よりも少ない。また、3D/4Dプローブが従来のプローブよりも高周波数であるため深部のプラークはpoor imageとなり解析が困難な場合が多い。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き合計80人を目標に患者のエントリーを進める。STIC法による画質の低下に対して、超音波装置の設定を見直し画質の向上を図る。
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Causes of Carryover |
予定よりも観察可能な対象患者が少なかったため、学会発表や論文の投稿ができなかったためと思われる。次年度は超音波検査装置の設定を見直し、学会発表や論文の投稿を行う。
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