2019 Fiscal Year Annual Research Report
Development of delivery dose monitoring system for photon beam radiotherapy
Project/Area Number |
17K16484
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
花田 剛士 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30571054)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 放射線治療 / 陽電子生成 / 消滅γ線 |
Outline of Annual Research Achievements |
放射線治療の照射装置(リニアック)で利用する高エネルギーX線は,ビーム照射中で照射対象との反応で陽電子生成を起こし,消滅γ線を放出する.この反応を利用して,患者体内の線量投与領域情報を非侵襲で取得可能なリアルタイムによるモニタリング計測の技術を研究開発することを本研究は目的としている. エネルギー6 MV及び10 MVの水中に対する陽電子発生率は,ビームの入射光子数に対して各々約1%と2%であり,陽電子生成の反応位置はビームの照射領域に対応している事象をモンテカルロシミュレーションGeant4ツールキットの計算により確認した.製作した検出器(無機シンチレータ;直径1インチ×長さ1インチ)と計測装置による実測定では,ビーム照射中の大局的な信号の計測には成功したが,ビーム照射中の空間では大量のバックグランドが発生しコンタミネーションとして同時に計測され、目的とする消滅γ線とバックグランドの信号弁別が困難である課題を明らかにした.バックグランドを含めた消滅γ線の信号(計数率)は,リニアックのコリメータ口(照射野)やビームの線量率(MU/min)に対して依存性を示した.Geant4の計算結果では,照射対象(水等価型ファントム)から発生した消滅γ線と同等の割合で,リニアックのコリメータから発生した消滅γ線が検出器に入射している結果を示した.消滅γ線に対して今回使用した検出器の材質(NaIシンチレータ)よりも更に高感度な材質やバックグランドを除去する遮蔽物を利用するなど,これらの課題をクリアできれば放射線治療中(ビーム照射中)の患者体内の線量投与領域を取得できる道が開かれると考える.
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Research Products
(2 results)