2017 Fiscal Year Research-status Report
永久液状塞栓物質(NBCA)に接着しない新規マイクロバルーンカテーテルの開発
Project/Area Number |
17K16487
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Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
林 敏彦 東海大学, 医学部, 助教 (50780186)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | マイクロバルーンカテーテル / 永久液状塞栓物質 / プラズマ技術 / 血管内治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
永久液状塞栓物質の1つであるn-butyl-2-cyanoacrylate (NBCA) は,血管内治療の際に優れた止血効果が認められる一方で,NBCAは血液接触直後に凝固が始まるため,瞬時にカテーテルを抜去する必要がある. マイクロバルーンカテーテルで血管を閉塞し血流制御下で,緩徐に塞栓術完遂が可能な塞栓法 (B-Glue) が考案されたが,マイクロバルーンカテーテルとNBCAとの接着に起因する合併症が危惧されている.本研究は,プラズマ技術を用いたマイクロバルーンの表面改質により,B-Glue時にNBCAと接着しない新規マイクロバルーンカテーテルの開発を目的としている.本年度は,申請時実験計画に基づいて以下を行った. 1.フッ素添加ダイヤモンドライクカーボン (F-DLC) ナノ薄膜の被覆と接着性評価(in vitro).ポリウレタン(PU)ペレットをシート状に成型したPU平板にプラズマ表面処理を行い,F-DLCナノ薄膜を成膜後,バルーン拡張を模擬した引張試験を実施した.さらに,引張試験後の電子顕微鏡像から密着性を評価した. 2.新規マイクロバルーンカテーテルのNBCA接着性評価 (in vitro) .密着性を向上させたF-DLCナノ薄膜被覆PU平板とNBCAとの接着強度を定量的に評価するため,NBCAにより試験板とF-DLCを接着し,せん断引張試験を行った.試料が強固に接着するまでの接着時間,試験後の接着痕,せん断引張強度によりF-DLCとNBCAの接着性を評価した.これら結果から最適なプラズマ表面改質条件を抽出し,マイクロバルーンカテーテルへのF-DLCナノ薄膜の成膜を行った. 3.ウサギモデルを用いた予備実験(in vivo).生体内での新規マクロバルーンカテーテルの接着性評価のため,実験系の確立を目的としてウサギを用いた動物実験を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
申請時の実験計画では,新規マイクロバルーンカテーテルの開発とin vitroでの評価が目的であった.研究については,おおむね順調に推移していると考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は,生体内でのマイクロバルーンカテーテルの接着性を評価するため,ウサギの生体内での新規マイクロバルーンカテーテル閉塞下でのNBCA接着性評価 (in vivo)を引き続き行う.初年度に作製した新規マイクロバルーンカテーテルを用いて,in vivoでの新規マイクロバルーンとNBCAの接着性を評価し,必要に応じて新規マイクロバルーンカテーテルの改良を行う.
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Causes of Carryover |
実験計画修正により旅費を繰越した為.次年度計画に組み込み使用予定.
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Research Products
(8 results)
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[Journal Article] 門脈肺静脈吻合を伴った胃静脈瘤に対し,バルーン閉塞下逆行性経静脈塞栓を施行した1例2017
Author(s)
林 敏彦, 松本 知博, 須田 慧, 富田 康介, 嶺 貴彦, 橋田 和靖, 長谷部 光泉, 永田 順子, 高清水 眞二, 小島 清一郎, 市川 仁志, 白井 孝之, 渡辺 勲史
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Journal Title
門脈圧亢進症学会雑誌
Volume: 23
Pages: 191-196
Peer Reviewed
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