2017 Fiscal Year Research-status Report
小児ECMO治療に最適な小型シーケンシャルフローポンプの開発
Project/Area Number |
17K16504
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
原 伸太郎 東京大学, 医学部附属病院, 特任研究員 (00791112)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 血液ポンプ / ECMO / 人工臓器 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人における急性呼吸性窮迫症候群や急性心不全などの疾患に対し膜型人工肺(ECMO)は開発以来多くの救命現場で成果を上げてきた。小児患者におけるECMO 治療は心移植待機の患者として成人より長期化し、心機能の低下も傾向にあることから、血液ポンプによる心肺補助も含めた長期使用モデルの開発は急務である。本研究は小児の呼吸器・循環器疾患に使用するために最適なV-A ECMO 装置の開発を最終目標とした長期的な小児体外心肺補助に特化した血液ポンプとして、本研究室で開発しているシーケンシャルフローポンプを小児用に設計・製作し既存の血液ポンプと同等以上の性能にすることを目的とする。 研究初年度は新設計の小児用シーケンシャルフローポンプを数値流体解析ソフトを用いてより小型なモデルになるよう設計変更した。設計の結果、2800rpmで300mmHg・4 L/minの中心性能となるポンプとして設計できたことを確認した。また差圧流量曲線についても、遠心ポンプや軸流ポンプと異なるシーケンシャルフローポンプ独自の特性がみられていることから、概ね想定通りの性能となることが見込まれる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
シーケンシャルフローポンプは成人をモデルとして設計したモデルでは溶血試験までは行っているが、より小型化となるとポンプの昇圧機構となる2段階昇圧についてのより詳細な理解が必要になる。小児用として実施するにはその特徴をつかむ必要があったが、想定していた特性に近いことから数値流体解析にかかる時間が短くなった。
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Strategy for Future Research Activity |
数値流体解析の結果を追記しつつ、学会発表と論文化を行う。また実機を作成して実機と解析データの一致を確認し、溶血試験を実施する予定である。 また実機の駆動用システムについては再設計する必要があることから、共同研究者の選定あるいは企業との協力をして行うため、進捗にやや影響が出ることが考えられる。
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Research Products
(2 results)