2017 Fiscal Year Research-status Report
Fcγ受容体の遺伝子多型が臓器移植における抗体依存性細胞傷害に及ぼす影響
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17K16508
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
清水 誠一 広島大学, 病院(医), 医科診療医 (90781021)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 臓器移植 / 抗体関連拒絶 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
Preformed DSA症例や術前クロスマッチ陽性症例において、抗HLA抗体のIgGサブクラスによって組織傷害性が異なる。preformed DSAおよびnon DSAのIgGサブクラス解析については、血清中に含まれる有意なサブクラスを同定することは可能であったが、luminex法の検出抗体をIgGサブクラスに分類することが困難であり、各抗HLA抗体がどのサブクラスかを同定するには至っていない。現在その他の方法を検討中である。 抗HLA抗体を含有するレシピエント血清存在下に、HLA ClassI・ClassII抗原をtargetとした細胞傷害性試験については、プロトコールを作成し、そのプロトコールの妥当性をリツキサンと健常人リンパ球を用いて検討中である。 FcγR遺伝子の SNPが移植臓器に対する機能障害および組織傷害に与える影響の解明については、現時点では有意な影響を確認できていない。症例の集積及びサブクラス解析を引き続き行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
Preformed DSAおよびnon DSAのIgGサブクラス解析については、luminex法の抗IgG1抗体-抗IgG4抗体の検出抗体がなく、現在その他の方法を検討中である。 抗HLA抗体を含有するレシピエント血清存在下に、HLA ClassI・ClassII抗原をtargetとした細胞傷害性試験については、患者血清は存在するため、条件検討が終了すれば施行可能である。 FcγR遺伝子の SNPが移植臓器に対する機能障害および組織傷害に与える影響の解明については、さらなる症例の集積及びサブクラス解析が必要である。
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Strategy for Future Research Activity |
Preformed DSA症例や術前クロスマッチ陽性症例において、luminex法の抗IgG1抗体-抗IgG4抗体にかわる検出抗体の検討とその妥当性を評価する。 抗HLA抗体を含有するレシピエント血清存在下に、HLA ClassI・ClassII抗原をtargetとした細胞傷害性試験については、条件検討を終了させ、抗HLA抗体を含有するレシピエント血清存在下に、51 Cr release assayによる細胞傷害性試験を行い、レシピエントのFcγR遺伝子(FCGR2A, FCGR3A)のSNPによって細胞傷害が異なるか、個体間での比較検討をおこなう。 FcγR遺伝子の SNPが移植臓器に対する機能障害および組織傷害に与える影響の解明については、症例の集積及びサブクラス解析を引き続き行っていく。
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Causes of Carryover |
実験の条件検討などを中心とデータ解析を行っており、予備実験に必要なデータの収集と解析のため、必要機材を購入した。今後は実際の患者血清などを使用して実験を行う予定であり、その際に、試薬が大量に必要となる予定である。
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