2018 Fiscal Year Research-status Report
Elucidation of BRCA1 function and development of new treatment for BRCA1 mutated breast cancer in mitophagy
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17K16519
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Research Institution | Tokyo Medical University |
Principal Investigator |
宮原 か奈 東京医科大学, 医学部, 助教 (90532391)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | BRCA1 / 乳癌 / Parkin / PINK1 / ミトコンドリア / ユビキチン / プロテアソーム |
Outline of Annual Research Achievements |
マイトファジーにおけるBRCA1の機能を検証するためTet-shBRCA1-MCF7-Parkin細胞を樹立し、CCCP処理によるミトコンドリア膜タンパクの減少を観察したが、BRCA1発現による変化は観察できず、BRCA1とマイトファジーの関連性は認められなかった。しかし、この実験過程でCCCP処理によりBRCA1が顕著に減少することを発見したことから、当初の目的と異なるものの、ミトコンドリアダメージとBRCA1の関連性について検証することとなった。CCCP処理によるBRCA1減少は、タンパク合成阻害下において促進されるため分解促進によるものと考えられ、MG132 併用でBRCA1分解が阻害されることから、ユビキチン・プロテアソーム系により分解されると考えられた。また、以前からミトコンドリアダメージが生じミトコンドリア膜電位が低下すると、PINK1がミトコンドリア外膜に安定化することが知られている。そこで、ミトコンドリアダメージ、PINK1とBRCA1の関連性を検証するため、細胞を様々なミトコンドリア標的薬剤で処理し、BRCA1、PINK1の発現変化を観察した。薬剤処理によりミトンドリア膜電位が低下すると、PINK1の上昇と共にBRCA1の減少を認めた。さらに、PINK1ノックダウンにより、CCCP処理によるBRCA1の減少は抑制された。次に、PINK1によりParkinが活性化され、直接的にBRCA1をユビキチン化しているのか検証するため、Myc-BRCA1, FLAG-Parkin共発現HEK293Tを作成し、Myc-BRCA1抗体による免疫共沈降を行うと、ユビキチン化されたMyc-BRCA1とFLAG-Parkinの共沈降を認めた。以上より、ミトコンドリアダメージ下でPINK1により活性化されたParkinが直接的にBRCA1をユビキチン化し分解することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究目的である、マイトファジーにおけるBRCA1の機能解明に関しては、残念ながらネガティブデータだったものの、その研究過程で、ミトコンドリアダメージによるPINK1、Parkinを介したBRCAの分解機構という非常に興味深い新規テーマを生み出すことができた。そのメカニズム解明において、おおむね順調に実験を進めることができていると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
BRCA1発現が癌細胞の増殖に関してどのように影響するのかを細胞実験により解明する。また、乳癌患者の癌及び正常乳腺組織検体を用いて、BRCA1、PINK1、Parkinの発現状況を検証する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 端数分のため、必要試薬・抗体・消耗品の購入費に満たなかったため。 (使用計画) 次年度と合算し、試薬・抗体・消耗品の購入費とする
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Research Products
(2 results)