2018 Fiscal Year Annual Research Report
Fraser extracellular matrix complex subunit 1 promotes liver metastasis of gastric cancer
Project/Area Number |
17K16521
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
清水 大 九州大学, 大学病院, 医員 (50723037)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 胃癌 / 肝転移 / FRAS1 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度、我々は、肝転移を有する胃癌患者の原発巣で有意に発現が上昇している遺伝子群をRNA sequencingの結果から抽出し、その遺伝子群からFRAS1を胃癌肝転移関連分子として着目した。CRISPR-Cas9システムを用いてFRAS1のノックアウト株を作成し、FRAS1ノックアウトに伴い増殖能・接着能・遊走能・浸潤能が有意に低下することを示した。また180例の胃癌コホートでは、胃癌原発巣におけるFRAS1高発現症例は有意に累積肝転移発生率が高く、FRAS1高発現はHR 4.05を伴い唯一の独立した肝転移予測因子であった。 平成30年度、まずアポトーシスへの影響を評価したところ、FRAS-1ノックアウトによりアポトーシス細胞が増加し、caspase activityが上昇していた。また、細胞内ROS活性がFRAS1ノックアウト細胞で上昇していた。次いで、肝転移能を評価するために、SCIDマウスの門脈に癌細胞を注入することにより、マウスの肝転移モデルを作成することに成功した。皮下腫瘍モデルにおいては、FRAS-1ノックアウト細胞ではワイルドタイプ細胞に比べて有意に腫瘍径が小さかったが、皮下に生着し腫瘍を形成した。肝転移モデルにおいては、ワイルドタイプ細胞が肝転移を形成する のに対し、FRAS-1ノックアウト細胞はほとんど生着しなかった。これは、FRAS1が転移巣形成において、より肝転移巣形成に重要な役割を果たしている事を示す結果と考える。
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