2017 Fiscal Year Research-status Report
膵癌・胆管癌の鑑別診断精度を飛躍的に向上させるタンパク質バイオマーカーの開発
Project/Area Number |
17K16527
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
前田 晋平 東北大学, 医学系研究科, 非常勤講師 (90455824)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 膵癌 / 胆管癌 / バイオマーカー / 免疫染色 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、膵頭部癌と遠位胆管癌を免疫組織化学的に鑑別し得る新規バイオマーカーの探索を目的として、膵癌と胆管癌のタンパク質発現プロファイルを起点として、膵頭部癌と遠位胆管癌の鑑別診断マーカーを同定に取り組んでいる。まず膵頭部癌10例と遠位胆管癌8例のホルマリン固定パラフィン包埋(FFPE)組織に対してレーザーマイクロダイセクション法を用いて癌細胞を特異的に回収し、タンパク質を抽出後LC-MS/MSを行い1,820種類のタンパク質を同定した。続いて、半定量解析法とG検定を用いて、遠位胆管癌と比較して膵頭部癌で有意に発現を認めるタンパク質、同様に膵頭部癌と比較して遠位胆管癌で有意に発現を認める15タンパク質を絞り込んだ。免疫組織化学的検証段階としては、まず膵頭部癌12症例と遠位胆管癌12症例の検体を検証し、両群で発現に差を認めるタンパク質を5タンパク質を絞り込んだ。今後は両群それぞれ80検体を用いて、大規模検証群の免疫染色を行い、同5タンパク質のバイオマーカーとしての妥当性を検討する予定である。さらにはタンパク質の組み合わせによるバイオマーカーパネルの有用性についても検討を加える予定である。並行して、臨床現場で、実際に診断が困難であった症例を用いても、同バイオマーカー、バイオマーカーパネルの有用性を検討する予定である。これらの検討を通して、鑑別が困難な膵頭部癌と遠位胆管癌の鑑別に寄与するバイオマーカーを同定していきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
FFPE組織からのタンパク質抽出、LC-MS/MS、データ解析、小規模検証群を用いての候補タンパク質の絞り込みが終了しており、ほぼ予定通りの進捗状況である。
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Strategy for Future Research Activity |
計画通り、大規模検証群における免疫染色を進め、膵頭部癌と遠位胆管癌の鑑別を可能とするバイオマーカーを同定する。
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Causes of Carryover |
約160例の大規模免疫染色が次年度にずれ込んだため、予算の繰越が生じた。 次年度使用額は平成30年度の助成金とあわせて免疫染色の物品費として使用する予定である。
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Research Products
(2 results)