2017 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel therapeutic agents targeting cancer-associated fibroblasts (CAFs) via suppression of fibrosis in pancreatic cancer.
Project/Area Number |
17K16529
|
Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
新木 健一郎 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助教 (60431706)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 膵癌 / コノフィリン / 癌関連線維芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、熱帯植物より抽出・分離された新規化合物コノフィリン(Conophylline:CnP)の線維化抑制効果を癌関連線維芽細胞に応用し、膵癌の増殖・進展に重要な癌関連線維芽細胞を制御することで膵癌に対する新たな治療法を開発することを目的とした。 CnPは肝の星細胞を抑制を介して肝の線維化を抑制することが知られている。CnPを癌関連線維芽細胞(Cancer associated fibroblast:CAF)に投与した報告はなく、CnPのCAF抑制効果を評価し抑制したCAFが膵癌の悪性度に与える影響を評価した。 CAFにCnPを投与するとコラーゲンIの産生が抑制され、濃度依存性にCAFの増殖抑制効果を認めた。またIL-6, IL-8, CCL2, CXCL12, AngiogeninといったCAFが産生する複数のサイトカインをCnPは抑制していた。 CnPで抑制したCAFの上清(Conditioned Media : CM)を用いて膵癌細胞株(SUIT-2)を培養すると増殖能は抑制され、浸潤能も抑制された。また、既存の抗癌剤であるGemcitabine(GEM)の抵抗性を改善する効果を有していた。 マウスを用いて膵癌細胞とCAFを同時に接種する皮下腫瘍モデルを用いてControl(無治療:no treat),CnP単独治療、GEM単独治療、CnP+GEM治療の4群に分けて治療を行うと、CnP+GEM治療群は他の3群と比較して著明な腫瘍縮小を認めた。 以上より、コノフィリンは膵癌の増殖・進展に重要な癌関連線維芽細胞の増殖・活性化・サイトカインの産生を抑制し、膵癌の治療剤として有効であることが示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記載した結果から、コノフィリンは膵癌の増殖・進展に重要な癌関連線維芽細胞の増殖・活性化・サイトカインの産生を抑制し、膵癌の治療剤として有効であることが示唆された。 研究結果を論文として執筆し、現在学術雑誌へ投稿中である。
|
Strategy for Future Research Activity |
今回の結果で得られた研究成果は、膵癌だけでなく他の肝胆膵悪性腫瘍についても同様に検討する価値があると考えるため、現在研究計画中である。また、癌関連線維芽細胞を抑制する他の因子・阻害剤などについても研究を行っていくことを検討している。
|
Causes of Carryover |
当該年度の全体額のうちの約4%程度(66,489円)が次年度使用額となった。 研究としては、ほぼ計画的に進んでおり成果と支出費用に問題ないと考えている。 したがって、次年度に使用することとした。
|
Research Products
(3 results)