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2017 Fiscal Year Research-status Report

低酸素環境による食道癌化学療法耐性におけるマイトファジーの意義

Research Project

Project/Area Number 17K16551
Research InstitutionOsaka University

Principal Investigator

益池 靖典  大阪大学, 医学部附属病院, 医員 (20781701)

Project Period (FY) 2017-04-01 – 2019-03-31
Keywords食道扁平上皮癌 / 治療抵抗性 / マイトファジー / 低酸素 / ミトコンドリア
Outline of Annual Research Achievements

当院で2000年から2011年までの間に術前補助化学療法を併用して根治切除術を施行した進行食道扁平上皮癌症例159例を対象に切除標本をホルマリン固定、全割し、腫瘍部標本に対して、腫瘍低酸素環境で活性化される低酸素マーカー(HIF-1α/CA9/GLUT-1)及びマイトファジー関連マーカーであるPink-1の抗体による免疫組織染色(HRP酵素抗体法)を行い、染色をスコアリング評価した。染色結果について低酸素マーカー及びPink-1の発現状況と治療効果(臨床効果:原発巣は2方向測定、リンパ節はRESISTガイドラインに従って判定、組織学的効果:食道癌取扱い規約grade分類に従って判定)、予後(overall survival、progression-free survival)をはじめとする臨床病理学的情報との相関を解析した。上記の食道扁平上皮癌159例を対象に腫瘍部標本の連続切片を作成し、各症例についてランダムに5視野を選定して、それぞれの視野で低酸素マーカー及びPink-1蛋白の染色を判定した。全視野の染色判定データを集積し、HIF-1αとPink-1の染色局在の相関を解析するとともに、局在での染色一致が高頻度でみられる症例と治療効果(臨床効果、組織学的効果)、予後をはじめとする臨床病理学的情報との相関を検討した。局所の染色評価では、HIF-1α陽性部のPink-1陽性率は83.3%と高値であり、局所的に低酸素環境がマイトファジーを誘導している可能性が示唆された。一方で、他の低酸素マーカーであるGLUT-1では、症例全体としてGLUT-1発現と治療効果、ly、vに関連が見られた。しかしながら、Pink-1発現との相関は見られず、局所の評価でも発現の相関は見られなかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

当初の計画通りの研究進捗をしている。平成29年度においては、当院で2000年から2011年までの間に術前補助化学療法を併用して根治切除術を施行した進行食道扁平上皮癌症例159例を対象に切除標本をホルマリン固定、全割し、腫瘍部標本に対して、腫瘍低酸素環境で活性化される低酸素マーカー(HIF-1α/CA9/GLUT-1)及びマイトファジー関連マーカーであるPink-1の抗体による免疫組織染色(HRP酵素抗体法)を行い、染色をスコアリング評価した。染色結果について低酸素マーカー及びPink-1の発現状況と治療効果(臨床効果:原発巣は2方向測定、リンパ節はRESISTガイドラインに従って判定、組織学的効果:食道癌取扱い規約grade分類に従って判定)、予後(overall survival、progression-free survival)をはじめとする臨床病理学的情報との相関を解析した。上記の食道扁平上皮癌159例を対象に腫瘍部標本の連続切片を作成し、各症例についてランダムに5視野を選定して、それぞれの視野で低酸素マーカー及びPink-1蛋白の染色を判定した。局所の染色評価では、HIF-1α陽性部のPink-1陽性率は83.3%と高値であり、局所的に低酸素環境がマイトファジーを誘導している可能性が示唆された。一方で、他の低酸素マーカーであるGLUT-1では、症例全体としてGLUT-1発現と治療効果、ly、vに関連が見られた。しかしながら、Pink-1発現との相関は見られず、局所の評価でも発現の相関は見られなかった。

Strategy for Future Research Activity

平成30年度においては、食道扁平上皮癌細胞株パネル(TEシリーズ)を用いて、通常培養(20% O2)と24時間、48時間、72時間低酸素培養(1% O2)を行い、HIF-1α及びPink-1発現をwestern blotting、定量的RT-PCRで解析し、低酸素環境におけるHIF-1αとPink-1との相関を検討する。また、GLUT-1発現、乳酸産生量をwestern blotting、assay kitを用いて解析し、糖代謝の変化を検証する。さらに、siRNA及びトランスフェクション法によりHIF-1αを過剰発現させた細胞株で同様の実験を行い、低酸素環境下でHIF-1αを介してWarburg効果・マイトファジーが誘導されているか評価する。また、上記の食道扁平上皮癌細胞株パネルを用いて、通常培養(20%O2)と低酸素培養(1% O2)を行い、食道癌治療で実際に使用される抗癌剤(5-fluorouracil/cisplatin/docetaxel)をそれぞれ単剤で投与して、GLUT-1及びPink-1発現をwestern blotting、定量的RT-PCRで解析すると共に乳酸産生量を測定し、低酸素環境下に抗癌剤を投与してWarburg効果、マイトファジーが誘導されるか検証する。加えて、MTT assayなどの細胞増殖能の解析、Annexin V assayによるアポトーシス解析を行い、低酸素環境下で化学療法耐性が誘導されるか検討する。また、siRNAによるHIF-1α knockdown細胞株、トランスフェクションによるHIF-1α overexpression細胞株で同様の実験を行い、低酸素環境で抗癌剤を投与した場合のマイトファジー、化学療法耐性の誘導がHIF-1αを介して生じているものか検討する。

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Published: 2018-12-17  

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