2017 Fiscal Year Research-status Report
肝発癌を促進する微小環境制御による革新的な癌治療法の開発・研究
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17K16562
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
本村 貴志 九州大学, 大学病院, 特別教員 (50719507)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 肝癌 / マクロファージ / 線維芽細胞 / TAM / CAF |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで生体肝移植症例において、摘出した肝臓及び脾臓をコラーゲン・プロナーゼでdigestしたのち、optiprepを用いた比重遠心法で単球を単離し、磁力細胞単離法(MACS)にてマクロファージと肝星細胞を単離し、細胞のpurityを、F4/80(マクロファージ), αSMA(肝星細胞・筋線維芽細胞)で評価済みである。また担癌肝組織の癌部・非癌部からも各々線維芽細胞を採取し、cancer-associated fibroblast(CAF)とnormal fibroblast(NF)でαSMAやvimentin、FAPの発現が有意にCAFで高いことをウエスタンブロット法や蛍光免疫染色法で確認できている。またCAFのエクソソームにも注目し、遠心法にてエクソソームを抽出し、肝癌細胞株であるHuh7と共培養してmigration assayで浸潤能をみたところ、CAF由来エクソソームで有意に浸潤能が高かった。細胞増殖に関してはPBSに比し線維芽細胞由来のエクソソームとの共培養で有意に増殖していたが、NFとCAFで差はなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
肝組織から肝細胞、単球、線維芽細胞の単離と培養まではすでにできており、残るマクロファージの培養及び共培養によるphenotypeやサイトカイン産生の変化を今後見ていくことで課題の目的を達成できるため。一方で最近注目されているエクソソーム研究にも着手しており、線維芽細胞由来のエクソソーム内miRNA分析も進んでおり、今後の進捗次第では新たな知見及び研究課題も見えて来る可能性が高い。
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Strategy for Future Research Activity |
NF及びCAF、また肝由来と脾臓由来の線維芽細胞とでマクロファージとの共培養を行い、マクロファージの形質転換があるか検討していく。前述の通りCAF及びCAF由来のエクソソームが癌の進展に大きく関わっている可能性が高いが、これまで癌との関連で報告があった腫瘍関連マクロファージ(tumor-associated macrophage:TAM)が、実はCAFを介した作用であるとすれば全く新しい知見で今後の癌研究の発展に癌腫を超えて寄与することも考えられる。
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