2019 Fiscal Year Annual Research Report
Glycan profiling relation to dedifferentiation of hepatocellular carcinoma with lectin microarray
Project/Area Number |
17K16572
|
Research Institution | Oita University |
Principal Investigator |
高山 洋臣 大分大学, 医学部, 客員研究員 (50733614)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
Keywords | 肝細胞癌 / レクチン / 糖鎖プロファイリング / 脱分化 / 糖転移酵素 / 高マンノース型糖鎖 / MGAT1 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くのタンパク質や脂質は、糖鎖付加により糖タンパク質や糖脂質となることで様々な生体機能を発揮している。これまで当科では胃癌、大腸癌、食道癌、IPMNにおける糖鎖の発現について調べてきた。 本研究では肝細胞癌を対象とし、その中でも同一腫瘍内に分化度の異なる成分を有する症例について、レクチンマイクロアレイ法にて糖鎖の発現プロファイリングを網羅的に行い、分化度間で比較検討することで、肝細胞癌の脱分化に関連のある因子を同定し、さらに機能解析を行った。 当科にて手術を行った肝細胞癌症例のホルマリン固定標本より組織を採取し、レクチンマイクロアレイ法による網羅的糖鎖解析を行った。対象は2006年1月から2015年12月までに当科で切除した、同一組織内に高分化型癌と中分化型癌の混在する50症例で、癌部から高分化成分、中分化成分を採取、蛋白抽出し、GlycoStationを用いて45種のレクチンについて発現を測定した。 有意差を認めたのは、ConA、NPA、GNA、Calsepa4種のレクチンで、高分化成分と比較し、中分化成分で有意に上昇していた。これらはいずれも高マンノース型糖鎖に結合するレクチンで、脱分化により高マンノース型糖鎖が増えることが示唆された。糖転移酵素の1種であるMGAT1が低下すると高マンノース型糖鎖が増えることが知られており、MGAT1染色を行ったところ、中分化成分において有意に発現低下を認めた。肝癌細胞株を用い、MGAT1をノックダウンすることで、増殖能や浸潤能にどのような影響を及ぼすか、検討を行ったが、有意差を示すことはできなかった。予後や臨床病理学的因子とMGAT1発現低下の関連性を比較したところ、肝内転移の有無において有意差を認めた。予後については有意差を認めなかったが、予後不良となる傾向を認めた。 これらの結果についてまとめ、BMC cancerにて論文発表を行った。
|