2019 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of defined factor of de-differentiation of colon cancer stem cells
Project/Area Number |
17K16573
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
高橋 あかり 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (80457697)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 大腸がん / がん幹細胞 / エピジェネティクス / メチル化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究において、ヒト大腸がん株 SW480, HCT15, HT29 細胞から side population (SP) 細胞を分離した。SP細胞は、免疫不全マウスにおいて高い造腫瘍能を示し、SP細胞にはがん幹細胞が濃縮されることを確認した。がん幹細胞としてSP細胞、比較対象群の非がん幹細胞としてmain population (MP) 細胞からクローン株を作成し、SPクローンおよびMPクローンとした。SPクローン細胞は、in vitro で安定的に培養可能であり、in vivo において高い造腫瘍能を示し、がん幹細胞が濃縮されることを確認した。本研究において、SPクローンおよびMPクローンを用いて、大腸がんの可塑性について検討した。非がん幹細胞であるMP細胞から、がん幹細胞であるSP細胞が出現する因子を検討した。その結果、脱メチル化剤 (5-Aza-2'-deoxycytidine)処理および、熱ショックストレスにより、MP細胞からSP細胞が出現する事を見出した。さらには、MP細胞のゲノム解析から、複数の熱ショックタンパク (HSP) 遺伝子プロモーターがメチル化されている事を確認した。これらの結果から、HSP分子発現がプロモーターメチル化によりサイレンシングされ大腸がんが分化するモデルが示唆された。そこで、HSP分子の一つであり、大腸がん幹細胞に特異的に発現する DNAJB8 分子をMP細胞に過剰発現させてみたが、MP細胞からSP細胞は観察されなかった。すなわちDNAJB8の1分子のみでは脱分化には不十分であったと考えられる。今後、がん幹細胞に発現する HSP分子の中で、脱分化に関わる責任分子を解明したい。
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