2017 Fiscal Year Research-status Report
大腸癌におけるタキサン系抗癌剤への感受性を期待しうる症例の同定に関する検討
Project/Area Number |
17K16580
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岡澤 裕 順天堂大学, 医学部, 非常勤助手 (10794604)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | DNAメチル化 / 大腸癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は,大腸癌におけるCheckpoint with Forkhead and Ring Finger Domains (CHFR)遺伝子のDNAメチル化解析,およびタキサン系抗癌剤への感受性をex vivoの抗癌剤感受性試験であるHistoculture Drug Response Assay (HDRA)法を用いて解析し,タキサン系抗癌剤への感受性を期待しうるSubpopulationの同定を試みることである.両者における関連性の評価により,タキサン系抗癌剤への感受性が予測することが出来るようになれば,現在の標準的治療レジメンに感受性が乏しい症例の中でタキサン系抗癌剤を用いることが妥当な症例の絞り込みが可能となることが期待出来る.タキサン系抗癌剤は既存の薬剤であり,新規の薬剤開発にかかる費用も必要ないため,本研究は患者の利益のみならず,医療経済的にも有益で非常に重要性の高い研究である. 大腸癌手術検体をHDRA法を用いて,抗癌剤感受性を調査している.タキサン系抗癌剤への感受性は症例ごとによってかなりのばらつきがみられている.したがって,より多くの症例を検討することにより,より普遍性の高いデータが得られるものと予想される.また,現在,検体のDNAメチル化を解析しているが,そのメチル化率にも症例によって大きな差がみられている.したがって,抗癌剤感受性における差とメチル化率の差に有意な関連性が認められるかを検討している段階である.有意な関連性が認められれば,その先の研究として,実際に抗癌剤を投与する症例を対象として,メチル化率を測定した上で,その抗癌剤の感受性を予測する前向きな臨床試験施行なども可能であると考えられる.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
順調に症例集積を行っている.現在,大腸癌手術検体をHDRA法を用いて,抗癌剤感受性を調査している.タキサン系抗癌剤への感受性は症例ごとによってかなりのばらつきがみられている.したがって,より多くの症例を検討することにより,より普遍性の高いデータが得られるものと予想される.また,現在,検体のDNAメチル化を解析しているが,そのメチル化率にも症例によって大きな差がみられている.したがって,抗癌剤感受性における差とメチル化率の差に有意な関連性が認められるかを検討している段階である.
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Strategy for Future Research Activity |
予定症例数に向けて症例集積を行う.当科における手術症例を対象として,大腸癌切除検体および血漿検体を収集している.これらの検体を用いて,HDRA法による抗癌剤感受性試験およびDNAメチル化解析を行う.現在,約20症例が解析済みであり,週に2症例ほどが対象となるため,目標の50例までには残り4~5か月ほどがかかる見込みである.
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Causes of Carryover |
予定症例数よりも少なかったため。
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