2020 Fiscal Year Annual Research Report
Identification of colorectal cancer patients that can be expected to be sensitive to taxane
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17K16580
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
岡澤 裕 順天堂大学, 医学部, 助教 (10794604)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 大腸癌 / DNAメチル化 / イリノテカン / タキサン / HDRA |
Outline of Annual Research Achievements |
2011年~2018年に当科で手術を施行した大腸癌を対象とし,原発巣癌組織におけるCHFR遺伝子の相対的DNAメチル化レベル(Relative methylation value:RMV)を測定した.原発巣癌組織におけるDNAメチル化レベルの測定には癌組織からDNAを抽出後にbisulfite処理を行い,定量的メチル化特異的PCR(qPCR)で測定した.得られたDNAメチル化レベルの結果とHistoculture drug response assay (HDRA) 法を用いて得られたタキサン系抗癌剤による大腸癌腫瘍制御率との相関を検討した.その結果、CHFR遺伝子のRMVとタキサン系抗癌剤による大腸癌腫瘍制御率には相関が見られなかった. 一方,同様に検討したイリノテカンによる大腸癌腫瘍制御率とは有意な相関が見られた.そこで,対象薬剤をタキサン系抗癌剤からイリノテカンに変更し、検討を行った. 原発巣癌組織におけるCHFR-RMVを高値群(n=28)と低値群(n=18)の2群に分けると,HDRA法を用いた検討においてirinotecanによる大腸癌腫瘍制御率には有意差を認めた(p<0.001). 次に,結果のvalidationとして,別のコホートを用いて,進行・再発大腸癌に対してirinotecanベースの全身化学療法(6コース以上)を施行した症例の治療効果とCHFR遺伝子のDNAメチル化率の相関について検討した.術後累積生存率に関しては2群間で差は認めなかったが(p=0.52),irinotecanベースの全身化学療法開始日からの無増悪生存期間に関しては,高値群で有意に良好であった(p=0.04). 本検討により,原発巣癌組織におけるCHFR-RMVはirinotecanベースの全身化学療法における効果予測因子であることが示唆された.
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