2018 Fiscal Year Research-status Report
ヒトiPS細胞由来心筋組織の機能と成熟度の解析 ~臨床応用に向けて~
Project/Area Number |
17K16587
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
小前 兵衛 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (50788883)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | iPS細胞 / 細胞シート / 心筋 / 成熟 |
Outline of Annual Research Achievements |
積層したヒトiPS心筋細胞シートをヌードラット背部皮下に移植して、ヒトiPS心筋グラフトを作成し、in vivo下で培養した。ヒトiPS心筋グラフトの培養期間が約1か月、約3-4か月、それ以上の段階で東京大学 染谷研究室で開発されたフレキシブルセンサーでヒトiPS心筋グラフト表面電位を測定した。 その結果、針電極でグラフト・或いは周囲の組織に針電極を穿刺して電位を計測するよりもフレキシブルセンサーを体内に埋め込んだ状態で電位測定を行った方が、測定される電位波形が安定することが分かった。 また、より成熟したと考えられる長期間培養したヒトiPS心筋グラフトの方が短期間の培養のグラフトよりも測定された電位波形が安定する傾向にあることも確認できた。 これらの結果を第18回日本再生医療学会で口演発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
フレキシブルセンサーの埋め込んだ後、位置ずれや断線により長期にわたる連続測定は不可能であったが、少しでも長期間連続測定できるように電極自体のカスタマイズや、埋め込んだ後の電極の固定方法などを調整し、電極植込み後の数日は連続測定できるようになった。それらの電極の調整に期日を要したため計画よりもやや進行は遅れてしまっている。 また、ヒトiPS心筋グラフトを3-4か月程度培養して、途中に観察・測定を行っていたがその際に動物が複数匹亡くなってしまい、当初予定していた個体数に足りなくなってしまい、新たに3-4か月程度培養するモデルを作製する必要が生じたため計画に遅延が生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
電位の測定系は安定してきたため、引き続き測定を行う。電位測定データの他の形態学的、分子学的評価を行い、得られた電位波形の所見と比較し、成熟過程における推移を観察する。 力学的なセンサーに関しては染谷研究室で現時点で開発改良中であり、測定出来るデバイスができ次第計測する、
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Causes of Carryover |
センサー自体の調整や埋め込み方の改善などで計画が遅れてたため、物品の購入計画が後ろにずれたことや、学会発表などの機会が少なくなったため次年度使用額が生じた。 引き続き実験計画に従って、動物購入代や試薬代、外注での組織学的検査に充てていく計画である。
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Research Products
(1 results)