慢性心筋梗塞に対する自家iPS細胞を用いた心筋再生療法の開発

2018 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 17K16589
• Research Institution: Shinshu University
• Principal Investigator: 市村 創 信州大学, 学術研究院医学系(医学部附属病院), 助教 (40749115)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2020-03-31
• Keywords: iPS細胞 / 心筋再生療法 / 自家移植

Outline of Annual Research Achievements

カニクイザルを用いた、慢性心筋梗塞モデルに対するiPS細胞由来心筋細胞の自家移植実験を計画している。
初年度に引き続き、カニクイザルiPS細胞へのGCaMP遺伝子導入および心筋分化誘導を行っている。遺伝子導入については、細胞の取扱いの困難さ（ヒトiPS細胞との培養条件の違い、細胞の脆弱性など）、遺伝子導入効率の悪さからなかなか導入が進まず、導入遺伝子の配列の改変や導入効率上昇に向けての各種薬剤の検討などを行い、徐々にではあるが遺伝子導入方法確立に向けて進んでいる。心筋分化誘導については、これも細胞の性質がヒトiPS細胞と若干異なることから、分化誘導方法の再検討が必要となった。こちらについては本年度内で概ね分化誘導法が確立されたため、遺伝子導入された細胞が完成し次第心筋分化誘導を順次行っていく予定である。
現在遺伝子導入が律速段階となっているものの、来年度前半にはクリアできる見込みが得られた。遺伝子導入が終了すれば、前年度に確立した心筋分化誘導法により心筋を作成し、速やかに動物実験を開始する予定である。
動物実験については、心筋梗塞モデルの作成、CTおよびエコー検査や血液検査など、必要な機器については準備終了しており、また動物への手術手技についても手技を確立しているため、動物実験以降はスムーズに計画の遂行が可能であると考えている。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

細胞への遺伝子導入がなかなか成功せず、導入遺伝子の改変に取り組んでいる。

Strategy for Future Research Activity

本年度前半中に遺伝子導入を成功させ、心筋分化誘導後、まず1頭のカニクイザルを用いて移植実験を開始する予定である。1頭で問題なく結果が得られた場合、残りの4頭についても移植実験を実施する予定としている。
1頭目は今年度中、早ければ残りの4頭も今年度末までには実験開始となる予定である。