2017 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病に着目した腹部大動脈瘤の病態解析~DPP-4阻害薬の瘤形成抑制効果の検討~
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17K16596
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
森崎 浩一 九州大学, 大学病院, その他 (30625801)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 腹部大動脈瘤 / DPP-4阻害薬 / Angiotensin II / CaCl2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は腹部大動脈瘤形成及び進展と糖尿病との関連を明らかにし、これらの病態に伴うDipeptidyl Peptidase-4(DPP-4)阻害薬の抗炎症作用をターゲットとした腹部大動脈瘤形成抑制に対する新たな治療戦略を提示することにある。具体的には以下の実験を行う。1.マウス腹部大動脈瘤モデルの作成(野生型マウス、糖尿病モデルマウス)。2.野生型マウスと糖尿病マウスにおけるDPP-4阻害薬の大動脈瘤形成抑制効果の検討。3. DPP-4阻害薬における大動脈瘤抑制効果の機序としてMMP、炎症性サイトカインの関連について検討。本年度はマウス腹部大動脈瘤モデルの作製を行った。Calcium Chlorideモデル:麻酔はネンブタールの腹腔内投与にて行った。腹部正中切開にて開腹、腎動脈下腹部大動脈から腹部大動脈分岐部にかけて腹部大動脈を露出させた。0.5M CaCl2液を綿花に染み込ませて腹部大動脈に15分間接触させた。腹腔内を生食で洗浄して閉腹した。術後6週目に腹部大動脈瘤形成効果を検討したが、瘤形成に乏しく、Angiotensin IIによる腹部大動脈瘤モデルを作成することとした。野生型マウスで動物実験モデル(Angiotensin II負荷による腹部大動脈瘤)を作成中である。麻酔をネンブタールの腹腔内投与にて行った。minipumpを埋め込み、AngIIを1000ng/kg/minで皮下投与した。術後4週目に瘤形成効果の検討を行った。今後、DPP-4阻害薬による瘤形成抑制効果の検討を行っていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物実験施設が利用できない状態にあったため当初の計画より遅れている状態である。至急マウス腹部大動脈瘤モデルを作成し、DPP-4阻害薬による瘤形成抑制効果の検討を行っていく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
野生型マウスにおけるDPP-4阻害薬による大動脈瘤抑制効果の検討、およびその機序として採取した大動脈組織を用いて、種々のシグナル伝達系物質(JNK, NF-κB)をウエスタンブロッティング法にて評価していく。また、大動脈組織の炎症性サイトカイン(TNF-α、IL-1、IL-6など)についてELISA法にて検討していく。 その後、糖尿病モデルマウスにおいても同様の実験を進めていく予定である。
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