2017 Fiscal Year Research-status Report
細胞間情報伝達を司るエクソソームの動脈硬化に与える影響と治療への応用
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17K16597
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
松田 大介 九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (90780883)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | エクソソーム / 大動脈瘤 / 動脈硬化 |
Outline of Annual Research Achievements |
エクソソーム抽出に際して、ヒト血管内皮細胞およびヒト血管平滑筋細胞の培養を確立し、抽出に必要な数を確保し培養を行った。超遠心法、共沈法、免疫法の各方法によって抽出し、そのクオリティを評価した。エクソソーム抽出についてはその最適な抽出法が未だ議論されているところであるため、本実験に最適な方法を確立するために必要であった。フローサイトメータおよび動的光散乱装置によって評価したところ、共沈法による抽出が最も量的な抽出量が多いことがわかった。質的にも均質と考えられたが、散乱光で観察すると微小な粒子が検出され、試薬の影響を考える必要があった。免疫法では量的にも少量であり、質的にも様々な径の粒子が含まれていた。免疫学的な検出では、エクソソーム以外の微小粒子で同じ表面抗原を持つ粒子が検出されていると考えられた。超遠心法では共沈法に次ぐ量・質的な粒子が検出された。エクソソーム由来の遺伝子発現を検討する上では共沈法で問題ないと考えられたため、遺伝子発現量の検討では同方法にて検討する方針とした。細胞由来のエクソソームから検出される遺伝子発現を検討したが、初期検討量では検出量が低く、信頼性にかけるため、細胞量を増やし、再検討を行っている。 また、生体での反応を検討するための動物実験を行うに当たり、マウスの大動脈瘤モデルを作成した。Angiotensin IIをポンプを利用して埋め込み、大動脈瘤が形成されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
エクソソーム抽出の細胞培養、エクソソーム抽出については問題なく行えている。遺伝子発現の解析について、当初行っていた抽出法による遺伝子の抽出では量が不充分であるため、キットの検討などを行い、抽出が可能であることは確認できた。少量の細胞からでは十分量のRNA検出が不可能であったため培養量を増やし再検討を行っている。また、マウスの瘤形成についても問題なく行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
遺伝子発現の解析に当たって、その抽出の条件検討を進めていく。それにあたっては、解析を依頼する研究者との条件の打ち合わせや学術的な支援をもらいながら進めていく。
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