2018 Fiscal Year Annual Research Report
Elucidation of alteration of tumor microenvironment for drug resistance in lung cancer
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17K16606
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
神崎 隆 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (10779060)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 化学療法 / 癌関連線維芽細胞 / PDGFR-β |
Outline of Annual Research Achievements |
(背景)PDGFR-βは癌微小環境において間質マーカーとして用いられ、線維芽細胞において機能的な分子である。今回、化学療法後の肺癌切除検体を用いて、癌間質におけるPDGFR-β発現の臨床的意義を明らかにした。(方法)1996-2014年に術前化学療法または化学放射線療法後に切除した92人の患者を対象に、切除検体を用いて癌間質におけるPDGFR-β発現を免疫染色を用いて評価し、その予後との相関を検討した。また、2005年に化学療法を行わずに切除した連続43人においても同様の解析を行った。(結果)患者背景は平均年齢60.2歳、78人(85%)が男性で、術前療法の適応理由はN2が58人、T3-4が29人、5人がその他であった。54人が化学放射線療法、38人が化学療法を受けていた。化学療法のレジメンはCDDP+DTX13人、CDDP+VDS12人、CDDP+VNR12人、CBDCA+PTX27人などで、2コースを基本とした。術前領邦後の切除検体の腫瘍間質におけるPDGFR-β発現は65人(71%)に認め、この割合は術前療法無しで手術した対照群の発現割合49%に比して有意に高かった(p=0.02)。間質PDGFR-β陽性例の5年無再発生存率は、陰性例のそれに比して有意に低かった(27 vs 48%,p=0.04)。また、5年癌特異的生存率においても、陽性性例は陰性例のそれに比して有意に低かった( vs 48%,p=0.04)。一方、術前療法無しで手術した対照群においては間質PDGFR-β陽性例・陰性例間に長期成績の差を認めなかった。(結語)肺癌に対して術前化学療法または化学放射線療法後に切除した例では、間質におけるPDGFR-β発現は予後不良関連因子となることが示された。
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Research Products
(2 results)