2018 Fiscal Year Research-status Report
胎仔肺組織の生着・分化におけるBipotential細胞の役割
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17K16609
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
河北 直也 徳島大学, 病院, 特任助教 (60522266)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 肺胞上皮細胞 / 幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
引き続き,胎齢15日・17日・19日・生後0日・7日のラット肺組織を用い,ラット肺組織におけるbipotential細胞の局在を免疫蛍光染色にて同定を進めている.当初染色が不良であり,Podoplanin/Sftpcの二重染色による共陽性細胞を同定することができなかったが,プロトコールの変更と,一次抗体の変更および,標識済み一次抗体を用いることで,十分な染色と,bipooetntial細胞の同定に至っている.安定した染色が得られるようになっており,多くのbipotetial細胞を有する胎齢15,17,19日の肺組織それぞれをdonor組織として移植する開始している.移植の手技は安定的に行うことができ,ドナーも生着し,各タイムポイント(1・3・7・14・28日)でサンプル採取を行っている。おおむね集まってきているが,まだすべてのタイムポイントで揃っておらず今後進めていく予定である。一方で,移植片内でのbipooetntial細胞の分布解析や,移植片内での肺の分化(TTF-1, CCSPなど)やEMT(Wnt7b, Wnt5a, FgfR2, Snail1, β-cateninなど)に関与する転写因子の免疫染色およびRT-PCRによる遺伝子解析には至っていない. また,採取した胎仔肺組織からRNA抽出を行っており,Pdpn/Sftpcに加えてAger/Aqp5/Muc1/Sftpb/Abca3/Lyz2といった1型,2型肺胞上皮細胞に特徴的な遺伝子群のプライマー作成を行い,経時的変化をreal-time RT-PCRでの評価を開始した段階である. 並行して胎齢期のラット肺を用いて細胞のフローサイトメトリー解析も進めているが,バックグラウンドが高くソーティングに難渋している.今後はアイソタイプコントールを用いて適切なgateを設定する予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
第一段階のbipotential細胞の可視化に,当初の予定より多くの時間を要した.安定して可視化できるようになっている.移植の技術も問題なく行える段階となっており,移植後の各タイムポイントで検体採取を進めていく.
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Strategy for Future Research Activity |
予定は遅れているものの,移植の段階に達している.今後は移植片内におけるbipotential細胞の免疫染色による分布の確認,およびMicroarryayによる肺の分化に関わる遺伝子を網羅的に検索する予定である.
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Causes of Carryover |
免疫染色によるbipotential細胞の可視化に時間を要したため.残額は,引き続き高額なMicroarrayや機器使用,試薬購入に充てさせていただきたい.
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