2017 Fiscal Year Research-status Report
共焦点レーザー内視鏡による術中リンパ節転移診断および胸膜浸潤診断の確立
Project/Area Number |
17K16611
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
澤田 徹 徳島大学, 病院, 特任助教 (60522258)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | センチネル / 呼吸器 |
Outline of Annual Research Achievements |
今回の研究の目的として,正確な病期診断の重要な因子であるリンパ節転移診断と胸膜浸潤診断の評価に,共焦点レーザー内視鏡;Confocal laser endomicroscopy(CLE)が有用であるか検討することである.リンパ節転移診断や胸膜浸潤診断の検討が重要な理由として,病期決定に関わるためである.胸膜浸潤の評価は,病理結果を待たなければ診断できないが,共焦点技術を内視鏡に応用したCLEだと通常の内視鏡では不可能だった,生体標本の病理像と同等レベルの観察像を得ることができ,共焦点画像の解像度を下げることなく,通常観察画像と同時に共焦点画像をリアルタイムに観察可能となる.CLEを併用することで,我々が行っているICG使用によるリンパ節転移診断と自家蛍光による胸膜浸潤診断の精度向上が期待できる.CLEを接触させ観察することで,①リンパ節転移診断,②胸膜浸潤診断が可能であるかどうかを,ex vivoとin vivoのstudyを検証する予定である.現時点では,胸膜浸潤の症例数を増やし,CLE併用時に適切な症例を選択できるように検討しているところである.自家蛍光における胸膜浸潤検討症例は68例(内訳:男/女=39/29,平均年齢 68.9歳,組織型 腺癌53例 扁平上皮癌12例 その他4例,腫瘍平均径 26.7mm,画像における腫瘍と胸膜の平均距離 3.3mm)まで,増加した.我々は自家蛍光観察で胸膜表面の陰影の減弱ないし欠損だと,胸膜浸潤が存在する可能性が高いことは既に報告している.実際,従来の白色光における術中胸膜評価と病理診断の関係は感度60%,特異度57.4%,正診率57%であったが,自家蛍光による評価と病理診断の関係は感度80.6%,特異度70.2%,正診率75%であった.これらの結果をふまえて,自家蛍光で減弱ないし欠損を認めた症例にCLEイメージングを行うことで,胸膜浸潤評価の精度向上を行っていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CLEを行う上で,これまで行ってきた胸膜浸潤の検討に関して,症例数を増やすことでより研究が発展するのではないかと考え,今年度は症例数を増やすことに重点を置いたため,研究はやや遅れている.
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Strategy for Future Research Activity |
リンパ節転移を疑うような症例,また胸膜浸潤を疑う研究に適した症例に対して,CLEイメージングを行っていく.まずはex vivoで実際の病理結果と対比させ,CLEイメージングパターンによりリンパ節転移診断,胸膜浸潤診断が可能かどうか検討する.ある程度検討を行った後は,in vivoの検討に移り,CLEイメージングを行う.In vivoの検討に関しては,これまで我々が検討してきたセンチネルリンパ節同定法や自家蛍光内視鏡を用いた胸膜観察と組み合わせ,CLEによる探査を行うターゲットエリアを絞りこみ評価していく.
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Causes of Carryover |
今回,胸膜浸潤の症例を集めることに重点をおき時間を要したため,CLE使用のためのレンタル費用やプローベ購入費用を使用することができなかった.残額は,機材のレンタル代や免疫染色のための試薬購入などに使用予定である.
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