2017 Fiscal Year Research-status Report
新しい言語機能マッピング法と蛍光分光解析手法の併用による脳腫瘍摘出術の展望
Project/Area Number |
17K16621
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
田村 有希恵 旭川医科大学, 大学病院, 助教 (30723879)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | passive language mapping / glioma / 共焦点顕微鏡 / 5ALA / PpⅨ |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者が開発した術中リアルタイムで行う”Passive language mapping”法は当施設独自の方法であり、患者協力なしに行える。症例をかさね、皮質皮質誘発電位が麻酔深度により再現性のない場合があることがわかってきた。より確実なマッピングとするため、覚醒下手術における適切な麻酔深度を確定させるため、ラットを使用した実験を計画している。これにより適切な麻酔深度の確定は可能であり、実際の覚醒下手術で応用し、より確実なマッピング方法として提案できると考えられる。 また、5ALA投与後のポルフィリン代謝産物を術中リアルタイムに蛍光定量する装置も、申請者独自が開発した方法であり、定量化によりより客観的に正常脳組織と境界不明瞭な腫瘍を判別し、確実に腫瘍を摘出することが可能となってきた。判別のためのカットオフ値も確定できる予定である。しかしながら、腫瘍浸潤のない部位、例えば脳室壁も蛍光を呈する場合があり、いまだに腫瘍細胞特異的に代謝産物が蓄積する理由については議論が残る。そこで、共焦点顕微鏡を用いて腫瘍細胞内のどこに実際に蓄積しているのかを確認することで、具体的に腫瘍があるいはその他の部位が蛍光を呈するその意義について解明する必要があり、急務である。 これらの課題を解決することで、術中に患者協力の得られない場合でも、より確実な言語機能のマッピングが可能となり、また腫瘍を定量的に可視化することで十分な腫瘍摘出が可能となるため、特に言語野付近の腫瘍患者の生命予後と脳機能予後の向上に貢献できると考える。さらに腫瘍特異的に蓄積する原因についても分析し、より安全かつ確実な腫瘍摘出も行えるようになると考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的に到達するための新たな課題が生じたため、追加して行わなければならない実験系等を予定する必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
研究目的達成のための追加して行うべき実験、観察を早急に行う。
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Causes of Carryover |
実験に必要な経費(ラット、電極、麻酔薬品、BISモニターなど)、共焦点顕微鏡で使用する薬品・使用料、国内・国外学会への参加費用と旅費、文献費用等に使用する予定である。
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