2017 Fiscal Year Research-status Report
MRI及びCFD解析を駆使した脳動脈瘤破裂点予測法の確立
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17K16622
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
面高 俊介 東北大学, 大学病院, 特任助手 (90791450)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 動脈瘤破裂点の造影効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では画像診断による脳動脈瘤破裂点の予測手法を確立するために、MRIを用いた脳動脈瘤の破裂点予測、CFD による脳動脈瘤の破裂点予測の検討 (ともに後向き研究)を平行して開始した。平成29年度は主に患者データの収集を行った。 術前に施行した造影 MRI 画像データをDICOM 形式で PC へ移した。さらにこのデータを用いて瘤壁造影効果の定量評価を行った。画像解析ソフト Amira 5.3 (VSG) を用いて得られた造影前後の 3D データを coregistration し造影効果を評価した。瘤壁の造影領域に関心領域を置き、造影性の指標となるwall enhancement indexおよびcontrast ratio against the stalkを算出した。 CFD解析のために 術前に施行した 3 次元脳血管撮影及び MRI 画像により脳動脈瘤に関する十分な解像度の 3 次元 DICOM データを取得、閾値設定によらない変曲点を利用した形状抽出法により安定したモデルを構築した。 当初の予定通り150例の動脈瘤患者からデータが得られた。 以上が平成29年度までに行った研究内容である。今後CFD解析データ及び術中所見と比較検討することで本研究の目的である脳動脈瘤破裂点の予測に有用な知見が得られると考えられる。脳動脈瘤破裂部位の術前予測の手法確立により、くも膜下出血症例で破裂部位の情報を術前に低侵襲的に得ることができる。これは手術戦略を考える際に大変有用な情報であり、術中破裂の合併症の回避にもつながる。また多発動脈瘤症例でどの動脈瘤が出血源であるか形態学的特徴からは判断できない場合も有用となり、迅速な出血源の処置につながる。したがって安全な手術を行う上で極めて有用かつ実践的であり、手術成績の向上にもつながりその臨床的意義は大きい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
MRIにおける造影効果の評価においてDICOMデータの収集のみならず造影効果の定量評価まで行うことができた。これは平成30年度に予定していた内容であった。
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Strategy for Future Research Activity |
予定通りCFD解析及び術中所見の検討を追加することで、MRIデータとCFDデータ、術中所見を比較検討する。本研究の目的である脳動脈瘤破裂点の予測に有用な知見が得られることが期待される。
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Causes of Carryover |
人件費を要さなかった分次年度使用額が生じた。次年度以降は研究遂行のために人員を要するため人件費として補填する予定である。
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