2019 Fiscal Year Research-status Report
心周期における拡散係数の変化量からみた脳および脳腫瘍の硬さの研究
Project/Area Number |
17K16656
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
山田 紘史 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 助教 (90727489)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | 脳腫瘍 / 髄膜腫 / 硬度 / MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
脳腫瘍(特に髄膜腫)の硬さは、摘出術を行う際には手術の難易度を左右しうる要因である。 画像診断で術前評価を行った報告は過去にもみられるが、そのほとんどが定性的な評価法であり定量性は語られていない。 本研究では、過去の水頭症の研究で明らかにした、「心電図同期によるMRI検査法で、心周期における拡散係数の変化量(deltaADC値)が脳局所の柔軟性と相関する」という原理を応用し、術前MRI検査のデータと、実際に摘出した腫瘍の硬さとの相関性を探ることを目標とした。さらに過去にはT2強調画像との相関性の報告が多いため、定量値としてT2値を測定することとした。組織の硬さは硬度計を用いて定量的に評価した。また、組織の水分含有率も同時に評価することとした。 2018年度までに髄膜腫の水分含有率と硬さに相関関係があり、それぞれをT2値で評価し得ることを第42回日本脳神経CI学会報告し、更なる症例の蓄積を求めた。 2019年度は、本研究参加の髄膜腫症例が18例に増加した。症例の増加しても、前述の相関関係の構図は変わらず、結果を第78回日本脳神経外科学会総会で報告した。この結果について論文執筆中の状況である。 deltaADC解析については並行して解析を行っているが、結果解釈について現在も考察中の状況である。次年度もデータ集積は継続しつつ、解析結果について考察を重ねる予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
開頭術を要する症候性髄膜腫を対象としており、年間の症例数は限られ、研究参加への同意が得られないケースもあり、データの蓄積がやや遅延している。
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Strategy for Future Research Activity |
データの集積は継続して行いつつ、deltaADC解析の結果の意義について考察を重ねる予定である。また、本研究で見出したT2値測定による術前硬度予測について、結果を論文報告する予定である。
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Causes of Carryover |
当初の研究計画よりも症例数の蓄積が遅れており、研究継続にかかる諸費用の支出も現状では抑えられている。次年度も継続してデータ集積、解析を行うため、必要物品や消耗品等にかかる費用について、今年度へ繰り越して使用する予定である。
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