Usefulness of a super selective arterial infusion therapy of a novel boronated porphyrin for BNCT and PDT

2018 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 17K16666
• Research Institution: Osaka Medical College
• Principal Investigator: 平松 亮 大阪医科大学, 医学部, 講師 (40609707)
• Project Period (FY): 2017-04-01 – 2019-03-31
• Keywords: ホウ素中性子捕捉療法 / 光線力学的療法 / ホウ素化ポルフィリン / CED / 血液脳関門

Outline of Annual Research Achievements

悪性神経膠腫は予後不良な疾患で正常脳への浸潤性格を有するため、その多くは局所再発を認める。そのため局所制御能力の高いホウ素中性子捕捉療法（BNCT）や光線力学的療法（PDT）などを組み合わせた集学的治療が必要である。また脳腫瘍治療において弊害となっているのが血液脳関門（BBB）であり、多臓器と異なり薬剤送達がより困難で、治療効果を下げる要因となっている。
そこで研究代表者はPDTおよびBNCTの両治療における効果が期待できる数種の新規ホウ素化ポルフィリン（BNH2-PpIXを中心にいくつかの薬剤）を国内研究協力者である中村浩之教授（東京工業大学 科学技術創成研究院 化学生命科学研究所）および切畑光統教授（大阪府立大学 BNCT研究センター）より提供を受け、候補薬剤を静脈内投与以外に、convection enhanced delivery （CED）およびBBB破砕併用超選択的動注療法などBBBの問題を克服した投与形態で薬剤投与し比較検討を行った。
具体的にはBNH2-PpIXを中心とした候補薬剤と現在までに臨床BNCTで使用されているホウ素化合物（BPA, BSH）を上述の異なる投与形態で脳腫瘍モデルラットに投与し腫瘍細胞への集積特性（停留時間、暴露濃度・時間の変化による薬剤細胞集積）を比較検討した。CEDにてBNH2-PpIXを0.25mg/bodyで投与を行い、投与終了後24時間経過した群が最も腫瘍内ホウ素取り込み量が高く20.21μg10B/gであった。一方、BBB破砕併用超選択的動注療法は、先行論文通りに行うも、静脈内投与以下の腫瘍内ホウ素取り込み量であった。マンニトール投与によるBBB破砕のタイミングを変えて薬剤投与を行ったが同様の結果であり、BBB破砕併用超選択的動注療法の有用性を示すことができなかった。