2017 Fiscal Year Research-status Report
Inhibition of proliferation and metastasis of bone soft tissue sarcoma by control of dormancy
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17K16681
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
鈴木 賀代 富山大学, 附属病院, 診療助手 (20456388)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | マウス未分化多形肉腫細胞株 / 高肺転移株 / 低肺転移株 / dormancy |
Outline of Annual Research Achievements |
マウス軟部肉腫細胞 (RCT)の高肺転移株と低肺転移株の肺転移能をin vivoにて確認し、細胞株の安定化させた。低肺転移株を、C3H/Heマウスに皮下移植後5週で移植した部位に1.5-2.0cm径の腫瘍を形成し、肺に5-10個の転移巣を形成した。肺転移結節を採取し、培養液で組織混濁液を作成後、C3H/Heマウスに皮下移植した。肺転移巣をマウスに皮下移植する過程を5サイクル継続し、5サイクル後の肺転移巣をin vitroで3継代培養し、高肺転移株を安定化させた。また、5サイクル後の原発巣(皮下移植部位の腫瘍)をin vitroで3継代培養し、低肺転移株として安定化させた。最終的に、高肺転移株はマウス皮下移植後、4週で平均10個の肺転移巣を形成し、5週で平均20個の肺転移巣を形成した。低肺転移株はマウス皮下移植後、4週では肺転移巣は平均4個、5週で平均8個の肺転移巣形成能を示した。 RCTの高肺転移株と低肺転移株をそれぞれマウスに皮下移植後5週で形成された、原発巣と肺転移のHE染色標本を作製した。高肺転移株の原発巣と肺転移巣に形態学的変化はなく、また低肺転移株の原発巣と肺転移巣と比較しても形態学的変化は見られなかった。HE染色標本による組織学的評価では、高肺転移株の肺転移巣は、低肺転移株の肺転移巣より、大きな結節を形成していた。 RCTの高肺転移株と低肺転移株の細胞増殖能をCCK-8 assayで検討した。培養開始後、24時間、48時間、72時間後の増殖能は、2種類の細胞株で有意差はなかった。また浸潤能をMatrigel invasion assayで比較し、高肺転移株で高い浸潤能を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
RCTの高肺転移株と低肺転移株の転移能の安定化に時間を要したため。
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Strategy for Future Research Activity |
RCTの高肺転移株および低肺転移株をマウス皮下移植後に得た、原発巣と肺転移巣それぞれのパラフィン包埋組織切片をKi-67, p27, p130, p107, E2F4などDormant cell markerの発現を確認する。またRCTの高肺転移株および低肺転移株を培養し、フローサイトメトリーによるG0/G1期の細胞で、Dormancy関連蛋白の発現を比較する。さらにin vitroで①原発巣組織、②循環血液中の腫瘍細胞 (circulating tumor cells; CTC)、③転移巣組織を採取し、dormancyに至った細胞をp130,p107,E2F4,Ki67免疫細胞染色またはqRT-PCRやWestern blotでの発現により、同定し、生体の中でdormancyが原発巣、CTCs、肺転移巣のどの部位でどの程度存在するか、dormancyがいつ出現するかを確認していく。
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Causes of Carryover |
RCT細胞の転移能の安定化に時間がかかり、計画よりやや遅れているため次年度使用額が生じた。 H29年度に実施できなかった細胞周期G0/G1期の把握のためのflow cytometry用抗体や、dormancy関連タンパクの免疫染色とウェスタンブロット(WB)用抗体の購入に使用する予定である。
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Research Products
(8 results)