2017 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
17K16684
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
齋藤 正憲 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (90596991)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 骨肉腫 / PAR-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
Protease Activated Receptor (PAR)はGタンパク共役型受容体で7回膜貫通型となっており4種類のサブタイプがある。その中でPAR-1はトロンビンの受容体である以外にも、凝固系プロテアーゼのXa、プラスミンなどの受容体でもある。PAR-1は様々な癌腫で正常細胞に比べてその過剰発現が報告されており、特に.悪性黒色腫(Villares GJ et al, Cancer Res 2009:69)や乳癌(Yang E et al, Cancer Res 2009:69)では詳細な研究がなされている。本研究では、PAR-1pepducinが種々の骨肉腫細胞に対して増殖・浸潤能を抑制するかを検討する。更に、その増殖抑制に関してはその詳細をアポトーシスの有無、細胞内シグナルの変化の点に関して検討する。また、ヒト骨肉腫をヌードマウスに移植し、VivoにおけるPAR-1Pepducinのもつ原発や肺転移への効果を確認する。具体的には、(1)PAR-1Pepducinによる骨肉腫細胞の増殖・浸潤能の効果(2)PAR-1Pepducinの抗腫瘍効果のメカニズムの検討(3)マウスモデルを用いたPAR-1pepducinの効果の検討 PAR-1Pepducinによる骨肉腫細胞の増殖・浸潤能の効果とそのメカニズムを検討する。 1.高肺転移能をもつマウス骨肉腫細胞株(LM8、K7M3)、ヒト骨肉腫細胞株(MG63.2、SAOS2、143B)およびコントロールとしてヒト骨芽細胞(HOB)、マウス骨芽細胞(MC3T3)を用意し、PAR-1Pepducinを添加し培養する。増殖抑制効果をWST assayで確認し、5μMから有意に細胞増殖が抑制された。浸潤能もほぼ同様に抑制された。2.増殖抑制の際のアポトーシスの有無をAnnexin V - 7AADを用いたFACS法で確認した。3.PAR-1Pepducinの抗腫瘍効果のメカニズムを解明するために、p16、p21、CDKなどの細胞周期関連遺伝子の解析と、腫瘍細胞では、自律的にリン酸化されているPI3K/AKT、MAPK、ERKなどの細胞内シグナルをそれぞれWBで評価する予定であるが、現在行っている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3.PAR-1Pepducinの抗腫瘍効果のメカニズムを解明するために、p16、p21、CDKなどの細胞周期関連遺伝子の解析と、腫瘍細胞では、自律的にリン酸化されているPI3K/AKT、MAPK、ERKなどの細胞内シグナルをそれぞれWBで評価する予定であるが、まだ、完遂していない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の残った実験を行い、さらに予定どおり平成30年度分の実験を行う。
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