2018 Fiscal Year Annual Research Report
Drug repositioning for spinal cord injury and spinal cord disorders via inhibition of neuronal cell-death
Project/Area Number |
17K16688
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
都島 幹人 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60755338)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 脊髄損傷 / アポトーシス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、Drug Repositioningの手法を用いて、脊髄損傷に対する効果を示す既存薬を同定し、評価することを目的とした。前段階で、既に脊髄運動神経細胞の増殖実験により、候補となっていたDrug XおよびYの神経細胞または動物個体での安全性、治療方法を確立することとした。平成29年度は脊髄圧挫損傷モデルマウスに対し、上記2薬の治療効果、さらに安全性を検討した。8週齢のC57/BL6マウスに胸髄レベルで高度の圧挫を加えることで、モデルを作製した。術当日より毎日一回薬剤を投与しながら下肢の運動機能を示すBMSスコアを随時測定し、時系列で測定・解析した結果、術後1週より薬剤投与群では運動機能の有意な改善が認められ、術後4週におけるBMSスコアは非薬剤投与群1.2に比べてDrugX投与群は2.5、DrugY投与群は3.1と、有意な改善を示した (p<0.01) 。また運動機能評価としてRota rodを用いた検査でも非薬剤投与群と比較し、薬剤投与群は有意な改善を示した。さらに組織学的評価を行うため、マウスは損傷後28日目に灌流固定を行い、Nissl/Luxol fast blue染色にて神経細胞数は薬剤投与群は非投与群に比し、有意に多い結果となった。 また、安全性に関しては、薬剤投与マウスにおいて、生命に危険を及ぼす合併症は認めず、投与量の安全性も確認できた。さらには慢性脊髄圧迫モデルとして、SDラットに対し、頚髄レベルで脊髄圧迫モデルの作成法を確立した。このモデルを用いて研究を重ねることで、将来的には本研究の候補薬が、圧迫性脊髄症および難治性脊髄変性疾患に対しても、応用可能な治療薬となるような研究の足がかりとしてきたい。
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