2017 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of collagen maturation in tendons regulated by mechanosensitive gene Mohawk
Project/Area Number |
17K16706
|
Research Institution | Jikei University School of Medicine |
Principal Investigator |
嘉山 智大 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (80793702)
|
Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 腱 / 靱帯 / コラーゲン / Mohawk / メカニカルストレス |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究においてマウスのトレッドミル運動負荷による腱・靱帯のコラーゲン線維の成熟を報告した。これらの臨床意義を評価するために力学試験を行った。野生型マウス、腱の成熟に重要なMohawkノックアウトマウスを、トレッドミル運動負荷群と非負荷群で比較した。野生型ではMkxノックアウトマウスの腱と比較し、力学的強度に優れていたものの、短期間では運動負荷による力学的強度の増大を優位に認めなかった。先行研究では遺伝子発現解析や電子顕微鏡像で優位な差が認めらていたため、力学的強度の優位さが得られなかったのは、サンプルの物理的な小さいサイズによる計測エラー、強度の増大が微量であるために優位な差を計測出来なかったことによると考える。今後実験系の再検討・再評価を行なっている。 腱・靱帯同様に主にI型コラーゲンで構成されている組織が歯根膜である。この歯根膜は歯と歯槽骨を繋ぐ組織であり、咀嚼にも重要な役割を果たしている。更に、この組織は歯の生え変わりや咀嚼によりリモデリングすることからメカニカルストレスに応答する組織であることが考えられる。今回この歯根膜にもMkxの発現があることが明らかとなった。更に、Mkxノックアウトマウスと比較し、歯根膜の恒久性の維持にMkxが重要であることを発表した。遺伝子発現解析により、歯根膜においてはMkxの発現が骨分化誘導遺伝子を抑制していることを示した。Mkx遺伝子は骨分化誘導を制御することでI型コラーゲンの発現を誘導することが明らかとなった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初の研究を行っていた研究室から移籍し、新たな研究環境をスタートさせたため、研究に大きな遅れが生じた。さらに、研究開始年度より異動が重なり、研究環境を整えるのに苦戦した。その他にも研究成果の発表、論文執筆などの業務が多く、実験に費やす時間が限られてしまった。次年度は環境整備が整い始めたため、よりスムーズに実験が行える環境になったと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
Mkxの力学強度では優位さが認められなかったものの、遺伝子発現や電子顕微鏡像では明らかな変化が認められたことから、今後はコラーゲンの詳細な評価を行う予定である。研究室で稼働しているHPLCを用いて野生型、Mkxノックアウトマウスの運動負荷後のコラーゲン変化を検討していく予定である。 先行研究でin vivoで細胞伸展装置を用いた負荷実験、in vitroにおいてのトレッドミル負荷実験などを行なって、遺伝子解析を行なってきた。その他にも運動負荷を取り除くための無重力実験(tail suspension)や遠心力による負荷実験なども行なってきた。現在は骨癒合促進に対して行われている超音波治療が腱・靱帯組織にも応用可能か、そして、修復にどのような影響が及ぶのか検討する予定である。まずはアニマルモデルのアキレス腱に超音波治療を用いて、遺伝子発現の違い、電子顕微鏡によるコラーゲン繊維配列の評価を行う予定である。これらで優位な差がが明らかとなればアキレス腱損傷モデルでも同様の実験が行えると考えている。
|
Causes of Carryover |
初年度の研究環境が整わず、予定していた実験が遅れたため、次年度にて研究費を使用する予定であるため。当初予定していたコラーゲン解析のための試薬、動物実験のための設備費用、遺伝子解析、電子顕微鏡解析、実験に必要な物品のための購入を予定している。
|
Research Products
(3 results)