2018 Fiscal Year Annual Research Report
Exploration for the mechanism(s) underlying synovial change in OA through the analysis of miRNA expression
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17K16712
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Research Institution | Clinical Research Center for Allergy and Rheumatology, National Hospital Organization, Sagamihara National Hospital |
Principal Investigator |
田中 信帆 独立行政法人国立病院機構(相模原病院臨床研究センター), 政策医療企画部, 研究員 (60530920)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / エクソソーム / 膝 / 関節炎 / miRNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではOAにおいて滑膜病変が生じるメカニズムをエクソソームという比較的新しい生命現象をキーワードとして、関節リウマチ(RA)と比較することによって明らかにすることを試みた。平成29年度には膝OA症例と膝RA症例各32例より人工関節置換の際に滑膜組織を採取し、組織よりmRNAとmiRNAの抽出を行って解析に備えた。miRNAについては組織をホモジナイザーで破砕し、組織中に存在するエクソソームを分離してそこに含まれるmiRNAを抽出した。平成30年度には抽出されたmiRNAについてPCRパネル(miScript miRNA PCR Array、Qiagen社)を用いた半網羅的・定量的解析を行った。その結果、miR-21とmiR-26aがRA滑膜に比べてOA滑膜で有意に発現レベルが低いことがわった。つぎにこれらのmiRNAと研究代表者らの過去の研究からOAの滑膜病変において重要な役割を果たすと考えられたMMP1、MMP2、MMP3、MMP14、ウロキナーゼ、VEGFR2の遺伝子発現レベルの関連をOA滑膜、RA滑膜それぞれについて検討した。研究代表者らの以前の解析と一致して、MMP2、MMP14、ウロキナーゼ、VEGFR2はOA滑膜においてRA滑膜より発現レベルが高く、MMP1、MMP3の発現レベルはRA滑膜において高かった。これら遺伝子のうちMMP1、MMP2、MMP3、MMP14、VEGFR2の発現レベルはOA滑膜においてmiR-21、miR-26とそれぞれ有意の負の相関を示したが、RA滑膜ではこれらの相関関係はいずれも認められなかった。この結果はOA滑膜においてmiR-21とmiR-26aの減少が滑膜病変に関与する可能性を示すものと考えられた。
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