2018 Fiscal Year Annual Research Report
Examination of the effect of CPEB on opioid tolelance
Project/Area Number |
17K16715
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
飯田 高史 旭川医科大学, 医学部, 助教 (40468442)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | オピオイド関連疼痛 / CPEB / 活性酸素 / MitoSox / 慢性疼痛 |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年度のミスマッチCPEB ODN+モルヒネ反復投与群(疼痛群)での機械的刺激域値の低下をうけ、goat anti-CPEB(1:100; Santa Cruz Biotechnology) による脊髄後角での免疫染色、MitoSox Redによる活性酸素発現量の計測を蛍光顕微鏡(キーエンスBZ-X700)を用いておこなった。 結果としてはミスマッチCPEB+0.9%NaCl(コントロール)群に比べて、ペイン群でMitoSox Redによる活性酸素の発現量に有意な増加が認められた。また、アンチセンスCPEB ODN+モルヒネ反復投与群(治療群)では、コントロール群との間に有意差を認めなかった。一方で、CPEB、pCREB、pC/EBP-βの発現量においては、3群間に有意差が認められなかった。ウエスタンブロッティング法による計測でも、CPEB、pCREB、pC/EBP-βの発現量には有意差が認められなかった。 以上より、CPEBがモルヒネ反復投与によるオピオイド因性疼痛(OIH)に影響するという根拠はえられなかったが、活性酸素は脊髄後角レベルにおいても疼痛群で増加する事が確認できた。2017年に我々がおこなった別の研究では、ラットにおけるモルヒネの急激な退薬現象は中脳水道周囲灰白質(PAG)におけるMitoSox Redの発現量を増加させ、MnSODの産生はこれを抑制した。今後は、MnSODの投与や産生によりROSを抑制する事は、脊髄レベルでも活性酸素の減少とOIHが改善をもたらし、CPEBを介さない別の分子生物学的機序がOIHに関わる事を証明していく。
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