2017 Fiscal Year Research-status Report
周術期アナフィラキシー原因薬物の新しい同定法確立:好塩基球刺激試験を用いて
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17K16721
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
折原 雅紀 群馬大学, 医学部附属病院, 医員 (10795272)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 周術期管理学 / 周術期アナフィラキシー / 好塩基球刺激試験 / 皮膚テスト |
Outline of Annual Research Achievements |
周術期アナフィラキシーの原因薬物同定法として好塩基球刺激試験(BAT)を確立する。 申請者は、BATはin vitroで施行可能なため従来の方法に比べ優れた点が多いと考えている。BATを実際にアナフィラキシーを起こした患者とアレルギー歴のない健常人とに施行し、診断ツールとしての有効性を確認すると共に、検査に用いる最適な抗体の組み合わせを見出し、検査法を標準化するための手掛かりとしたい。さらに、BATがどのような薬物に対して有効なのかも調べる。 3つの群①今後発生する周術期アナフィラキシー患者②過去にアナフィラキシーを起こした患者③アレルギー歴のない健常人ボランティアを対象に皮膚テスト・BATを行う。BATはCD3-CRTH2-CD203c抗体に加え、CD203cの代わりにCD63抗体を用いた試験も行う。①の群に対しては血液中のトリプターゼ・ヒスタミンの測定も行う。皮膚テストは陽性コントロールのヒスタミン溶液と被疑薬を用いたプリックテストと皮内テストを施行する。アナフィラキシー患者と健常人との結果を比較することでTG-ROC法によりBATの感度・特異度を原因薬物別に計算し、アナフィラキシーの診断ツールとしてのBATの有効性を確認する。 本研究のプロトコールは当院の臨床試験審査委員会で承認されている(承認番号 1084,1259)。 申請者のグループでは平成24年度より周術期に発生したアナフィラキシーのデータベース化を進めており、これまでのところ約60症例が登録されている。これらのうち同意が得られた症例について、皮膚テストとBATを行う。 また、アレルギー歴のない健常人ボランティア約30症例についても、皮膚テストとBATを行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2年間で周術期アナフィラキシー患者・ボランティア合わせて50症例程度の検査を予定しおり、この1年間で患者約20症例・ボランティア約20症例について皮膚テストとBATを行った。 これらのうち、周術期アナフィラキシーの原因薬物として最も多かったスガマデクスについて、BATの有用性を論文で発表した(Usefulness of Basophil Activation Tests for Diagnosis of Sugammadex-Induced Anaphylaxis. Horiuchi T, Yokohama A, Orihara M, Tomita Y, Tomioka A, Yoshida N, Takahashi K, Saito S, Takazawa T. Anesth Analg. in press. 査読有)。
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Strategy for Future Research Activity |
平成29年度の計画と同内容の研究を推進し、被験者が規定数に達したら各薬剤に対するBATの感度・特異度をTG-ROC法により算出する。 アナフィラキシー症例が計画通りに集まらない場合は、協力病院における過去の症例を報告するよう促すと共に、新規症例について報告してもらう。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由:少額のため 使用計画: 消耗品費として、フローサイトメトリーに用いる抗体・試薬が必要である。 また、その他の費用として、研究成果発表のための旅費、健常人ボランティアへの謝金、トリプターゼ・ヒスタミン濃度の測定費用が必要となる。
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Research Products
(1 results)