Outline of Annual Research Achievements |
悪性高熱症を発症した患者や悪性高熱症の家族歴がある患者で悪性高熱症素因の診断目的にCa induced Ca release検査(CICR)を受けた患者を対象とした.対象患者の血液サンプルの採取およびDNAの抽出を行い,DNA抽出キットを用いてDNAを抽出した.Ion PGMシステムを使用して,RYR1およびCACNA1Sの遺伝子変異の解析を行った. RYR1およびCACNA1Sに原因となる遺伝子変異が確認できなかったサンプルは,exome sequenceを施行し,新規の原因遺伝子の探索を行った. 143サンプルについてスクリーニングを行い,16種類の既知の変異(RYR1:T84M,Q155K,R163C,G341R,R533H,R614L,P1592L,V2280I,R2336H,S2345R,P2366R,R2508C,R2508H,L4838V,I4898T,CACNA1SR174W)と,17種類の新規の原因遺伝子の可能性の高い変異(RYR1:D167G,E176D,R367Q,S604P,S2345T,I2358T,R2454G,R2625C,E3104K,N3913D,K4477N,A5025G,38990285_38990287delGGA,CACNA1S:D1382V,F1161L,S879P,A560T)を認めた.新規の原因遺伝子の可能性のある変異は機能解析を行い,原因遺伝子か否かの確認も行った. また,原因遺伝子ごとに臨床症状の比較を行ったところ,原因遺伝子ごとに特徴をもつ可能性が考えられた. RYR1とCACNA1Sに悪性高熱症の原因遺伝子となりそうな変異を認めなかったサンプルについては,exome sequenceに提出し,新規の原因遺伝子の探索を試みた.現在までに計16サンプル提出したが,新規の原因遺伝子の探索は難しく,ある程度原因遺伝子の候補を絞った.
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