2018 Fiscal Year Annual Research Report
Anesthetic preconditioning against ischemia-reperfusion injury on mitochondrial dynamics
Project/Area Number |
17K16735
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
笠井 飛鳥 徳島大学, 病院, 助教 (90756892)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ミトコンドリア / プレコンディショニング / 吸入麻酔薬 / Opa-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、ミトコンドリア機能の調節が心筋保護作用に関与していることが明らかになってきた(Ong SB et al. Circulation 121: 2012-2022, 2010)。しかしながら、プレコンディショニング様心筋保護作用メカニズムの全容は明らかではなく、特に、ミトコンドリア機能が吸入麻酔薬のプレコンディショニング様心筋保護作用(APC)に与える影響については未だ分か近年、心血管リスクを有する患者の周術期管理において吸入麻酔薬が有効であることが多くのメタアナリシスによって示されつつある。しかしながら、APCによる心筋保護作用とミトコンドリアダイナミクスとを関連付けた報告は、国内外を含め知る限りにおいて存在しない。そのため、ミトコンドリアダイナミクスとAPC心筋保護作用のメカニズムの関係を明らかにすることは、その根本的解明のみならず、心筋保護に対するこの部分をターゲットとした新しい治療法の確立および治療薬の開発において重要な課題であると思われる。 これらの観点から、本年度は、ミトコンドリア融合に関与するOpa-1の影響を明らかにするため、Opa-1 siRNAを電気穿孔法にて細胞に注入、トランスフェクションさせた細胞を用い、APC群の心筋保護作用が棄却するかを調べた。その結果Opa-1をノックダウンさせた細胞においては、心筋保護作用が棄却したことから、吸入麻酔薬の心筋保護作用、プレコンディショニングにおいてOpa-1が重要な役割を演じていることが明らかになった。
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