2019 Fiscal Year Annual Research Report
A novel therapeutic strategy for postoperative cognitive dysfunction by PGC-1a and microRNA
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17K16737
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Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
立岩 浩規 高知大学, 教育研究部医療学系臨床医学部門, 助教 (90614397)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | POCD / ALA / PGC-1α / BDNF / neuroinflammation |
Outline of Annual Research Achievements |
術後認知機能障害(POCD ; Post-operative Cognitive Dysfunction)は、手術後において認知機能が術前よりも低下した状態と定義されている。重要な術後合併症の1つで、特に高齢者に多く、術後QOL 低下や死亡率の増加などと関連することが広く知られており大きな問題となっている。 POCDの発症機序として、手術侵襲が脳内の特に海馬での炎症反応を惹起することが要因の一つとして考えられている。未だに有効な予防・治療方法は確立されていないが、術前の運動が有効である可能性が示唆されている。しかし、特に問題となる高齢者では、術前に運動を行うことが困難であることも少なくない。その問題に対して、本研究では運動の代わりに、運動で誘導される蛋白PGC-1α(Peroxisome proliferator-activated receptor-γco-activator-1α)を誘導する物質ALA(Alpha-Lipoic Acid)を投与することで、運動と同等の効果をもたらしPOCD を予防することができるかを検討した。 その結果、高齢ラットにおいて手術侵襲を加える前にALAを投与することで、血中PGC-1αの発現増加および海馬で神経保護因子であるBDNF(Brain Derived Neurotrophic Factor)の増加を認めた。さらに術後7日目に施行した新奇物体認識試験においてALA投与による有意な認知機能の保持および海馬TNF-α濃度の低下すなわち脳内炎症抑制効果を認めた。 以上よりALA投与により脳内炎症を抑制し、POCDを予防することが出来ることが示された。
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Research Products
(1 results)