2018 Fiscal Year Annual Research Report
The development of the novel therapy for the traumatic brain injury
Project/Area Number |
17K16742
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
澤田 敦史 札幌医科大学, 医学部, 助教 (10551492)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 外傷性脳損傷 / 術後認知機能障害 / イソフルラン / デクスメデトミジン |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は申請した研究計画に従い,GFP陽性トランスジェニックマウスの骨髄細胞をブスルファン(骨髄抑制作用)投与により前処置を行った雄性C57BL/6マウス(7-8週)に静脈内投与(骨髄移植)してGFP陽性キメラマウスを作製した.骨髄移植の4週後に,GFP陽性キメラマウスを用いて全身麻酔下にImpactorを使用して外傷性脳損傷モデルマウス(Controlled cortical impact/CCIモデル)を作製した. 外傷性脳損傷慢性期における術後認知機能障害の発症および軽減の機序解明を目的として以下の実験を行った. 手術侵襲を一切与えないナイーブマウス,全身麻酔下に開頭術のみを行うシャムマウス(偽手術モデルマウス),および外傷性脳損傷モデルマウスを用いて頭部外傷受傷28日後にイソフルラン(吸入麻酔薬)単独またはイソフルラン(吸入麻酔薬)およびデクスメデトミジン(静脈麻酔薬)併用で全身麻酔を30分間行った.全身麻酔施行14日後より,高次脳機能を評価する行動学的試験としてBarnes Maze試験を行った.ナイーブマウス,シャムマウスにおいては全身麻酔後の術後認知機能障害を発症しなかった.イソフルラン単独で全身麻酔を行った外傷性脳損傷モデルマウスでは,術後認知機能障害を発症したが,イソフルランおよびデクスメデトミジン併用で全身麻酔を行った外傷性脳損傷モデルマウスにおいては,術後認知機能障害を発症しなかった. この結果から,デクスメデトミジンは外傷性脳損傷慢性期における術後認知機能障害の発症を予防または軽減する可能性が示唆された.
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