2019 Fiscal Year Annual Research Report
Effects of anesthetic agents on oxytocin induced contractions of the pregnant rat myometrium in vivo and in vitro
Project/Area Number |
17K16744
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
君塚 基修 札幌医科大学, 医学部, 助教 (30758686)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 子宮筋収縮 / 麻酔薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
弛緩出血は全分娩の5%にみられ、弛緩出血による母体死亡は依然として妊産婦死亡の約20%を占めている。帝王切開術において、胎児娩出後は出血を抑制するという観点から子宮収縮を促進することが望ましいが、子宮筋は麻酔薬によって収縮抑制をきたすことが多く、その使用により出血が増加することが懸念される。 一方、帝王切開術では、局所麻酔だけでは取りきれない痛みや吐き気から胎児娩出後の鎮静を希望される患者が大半を占める。その場合、現在は鎮静薬としてプロポフォールが用いられることがある。また全身麻酔で帝王切開術の管理する場合、セボフルランを使用する場合がある。しかし、プロポフォールやセボフルランは多くの麻酔薬と同様に、子宮収縮を抑制することが示されている。デクスメデトミジンはα2アドレナリン受容体刺激薬で、Gタンパクを介する経路を通して子宮収縮を増強する可能性が報告されている。以上より、子宮筋に対し、セボフルラン、プロポフォールは子宮収縮を抑制し、デクスメデトミジンは子宮収縮を増強するという仮説を立て、デクスメデトミジンとプロポフォールとセボフルランの子宮収縮に対する影響およびその機序をin vitro,in vivoで検討した。 本研究結果から、プロポフォール、セボフルランは子宮筋収縮を抑制し、デクスメデトミジンは子宮筋収縮を増強する可能性が示唆された。また、デクスメデトミジンが子宮筋収縮を増強する機序として、アラキドン酸の関与が示唆された。
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