2019 Fiscal Year Research-status Report
ストレス性高カテコラミン血症が術後遷延痛を引き起こすメカニズムの解明
Project/Area Number |
17K16746
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
山崎 正記 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20771520)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | ストレス / 痛覚過敏 |
Outline of Annual Research Achievements |
ストレス環境に暴露されると交感神経が興奮し高カテコラミン血症となる。カテコラミン濃度が持続的に高い状態が続くことは、心不全、糖尿病などを惹起する。知覚神経にもbetaアドレナリン受容体が発現し、カテコラミンが痛覚伝達に影響を及ぼしている可能性が示唆されているが、血液中のカテコラミンが痛覚伝達に及ぼす影響は十分に解明されていない。 本研究はラット慢性高カテコラミン血症モデルを作成し、その痛覚閾値を測定して痛覚過敏の有無を観察することで、高カテコラミン血症における一次知覚神経のアドレナリン受容体の働きを解明することを目的とする。 これまでの研究において、我々は、カテコラミン分解酵素COMT阻害剤を腹腔内投与することでラット高カテコラミン血症モデルを作成した。行動解析により、高カテコラミン血症モデルラットでは痛覚閾値が低下し、痛覚過敏が生じていることをあきらかにした。本年度は、知覚神経におけるアドレナリン受容体の発現を確認した。免疫組織化学法とウェスタンブロッティング法により、beta2アドレナリン受容体が一次知覚神経の細胞体に存在することを明らかにした。また、高カテコラミン血症モデルラットでは受容体発現量が増加していることも明らかになった。 今後、beta2アドレナリン受容体拮抗薬が高カテコラミン血症やストレス負荷に伴う痛覚過敏を抑制するか検討する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アドレナリン受容体発現の解析は終了したが、受容体拮抗薬の投与実験については進捗が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
beta2アドレナリン受容体拮抗薬阻害剤をラットに投与する手法については確立できた。今後、高カテコラミン血症モデルラットに阻害剤を投与し、行動解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
次年度に行動解析実験などを予定しており、試薬やモデル動物の購入費用に充当させる必要があるため。
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