2017 Fiscal Year Research-status Report
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17K16749
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
藤本 陽平 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (90779430)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | ノルアドレナリン / MHPG / クロマトグラフィー / 移動相 / ラット |
Outline of Annual Research Achievements |
実験で回収する神経伝達物質{ノルアドレナリン、その代謝産物である3-メトキシ-4-ヒドロキシフェニルグリコール (MHPG)、ドパミン、セロトニン}の安定した測定を行うために、クロマトグラフィーの調節を行った。具体的にはフロントピークとMHPGのピークを乖離させ、かつ確実な測定を行うために、①カラムの調整、②移動相のメタノール濃度の最適化(メタノール濃度を1%単位で調整し実際に先に挙げたそれぞれの神経伝達物質のスタンダード試料の測定を行いピークの状態を確認することで濃度の最適化を図った)を行った。これらを行うことで、実際に生体試料を採取した際に確実な神経伝達物質の濃度測定を行うことができるため、ラットの使用数を節約することにつながり、生命倫理的・経済的に好ましいと思われる。 ラットにおける実験手技の安定化を目指し、余剰ラットをもらい受け、実際に行う実験手技の訓練を行った。手技の内容としては、セボフルラン吸入による全身麻酔下に、①頭部へのマイクロダイアリシスプローブの挿入、②経静脈への静脈カテーテルの挿入、③頸動脈への動脈カテーテルの挿入、④脊椎の椎弓切除および脊髄の露出、⑤脊髄へのマイクロダイアリシスプローブの挿入を行った。これらの手技の訓練を行う際の物品としては、マイクロダイアリシスプローブが高価であるが、これは以前に利用し回収していたものを使用することで新規の購入を避けることができた。これらの処置の練習を行うことで、実際のラットに対する実験を行った際のミスを減らすことができ、上記と同様にラットの使用数の減少を図ることができると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
試料の測定を行うことに関しては安定した結果を得られるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度からはラットを用いて実際の脊髄・脳での生体試料の回収および行動実験、そして慢性疼痛モデルラットの安定した作成法の確立を行っていく方針である。
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Causes of Carryover |
本実験を遂行するために、高速液化クロマトグラフィー法を行うための機器の追加購入が必要となった。その金額が200万円程度であることが判明していることから、次年度使用額と合わせてでなければ購入できず、繰り越しをする必要があった。
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