2017 Fiscal Year Research-status Report
慢性痛の発症及び治療における、セロトニントランスポーターの関与についての検討
Project/Area Number |
17K16750
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
山崎 広之 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 病院講師 (70759000)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | セロトニントランスポーター遺伝子多型 / 開胸術後疼痛症候群 |
Outline of Annual Research Achievements |
疼痛や情動に関わる生理活性アミンであるセロトニンのトランスポーターは神経終末に発現し、シナプス間隙からのセロトニン再取り込みを行うことでシナプス伝達に影響する。近年の報告では、セロトニントランスポーター遺伝子多型が鎮痛薬の効果や慢性痛発症と関連している可能性が示されている。この研究計画では実際の臨床現場におけるセロトニントランスポーター遺伝子多型と慢性痛の関連性を検討するため、セロトニントランスポーター遺伝子多型が神経障害に伴う疼痛に対するデュロキセチンの鎮痛効果と肺がん手術後の急性痛から慢性痛への移行に及ぼす影響を観察する。この研究により得られる知見は、神経障害性疼痛に対する薬剤選択および慢性痛予防のための治療選択の一助になると考えられる。それぞれの研究デザインとして、当施設及び研究協力機関合同で前向き観察研究を行うことをまず計画した。 初年度前半は臨床研究を始めるにあたって、統計学専門家への相談を含めた妥当な研究デザインの計画、遺伝子解析機関の選定、協力機関との話し合い、倫理委員会への申請を行った。後半からは具体的に、倫理委員会承認後に「肺がん術後の開胸術後疼痛症候群発症とセロトニントランスポーター遺伝子多型の関連性の検討」の研究を開始し、解析機関及び協力病院との連携のもとで当初の計画どおり順調にデータ収集を進めている。また、当初はデュロキセチンの鎮痛効果に関しては糖尿病性神経障害患者を対象としてデータ収集を行う予定であったが、予備データの不足から、研究デザインの再検討を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
「肺がん術後の開胸術後疼痛症候群発症とセロトニントランスポーター遺伝子多型の関連性の検討」の研究を開始し、当初の計画どおり順調にデータ収集を進めている。その一方で、「糖尿病性神経障害に伴う痛みに対するデュロキセチンの鎮痛効果とセロトニントランスポーター遺伝子多型との関連性の検討」に関しては、詳細な過去の文献収集を行った結果、予備データの不足から、サンプルサイズの設定が困難であり、まずは探索的研究から開始すべきであるとの結論に至り、対象疾患も再考中である。
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Strategy for Future Research Activity |
対象疾患の再考を迅速に行い、円滑にデータ収集できる工夫を行う。
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Causes of Carryover |
初年度は研究計画、協力機関への説明、倫理委員会への申請を行い、実際に研究を開始するのが予想外に遅くなった。そのため、もともと初年度に使用する予定の助成金は、主に遺伝子解析費用として次年度に使用する予定である。
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