2019 Fiscal Year Annual Research Report
The effects of prolonged exposure to anesthetics on oral cancer cells.
Project/Area Number |
17K16751
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
西和田 忠 奈良県立医科大学, 医学部, 助教 (20649165)
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Project Period (FY) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 口腔癌 / HSC-3 / 麻酔薬 / モルヒネ / NF-κB / VEGF |
Outline of Annual Research Achievements |
2018年度に実施した口腔癌細胞株HSC-3に対するモルヒネの増殖抑制作用について、NF-κBとvascular endthelial growth factor (VEGF)を介した機序を解明した研究をもとにJournal of anesthesiaに投稿した。その結果2回のリバイスを経て受理され、2019年6月号に掲載された。また、この結果を含めて、雑誌臨床麻酔に執筆を依頼され、臨床麻酔2020年1月号に「オピオイドとがん」という題で掲載された。 次の研究として、主に麻酔中に用いられる薬剤の口腔癌細胞に対する影響の調査を開始した。実際の手術麻酔に際しては、揮発性麻酔薬の使用や術後鎮痛目的に解離性麻酔薬と呼ばれるNMDA受容体拮抗薬であるケタミン等が用いられることがある。そのためHSC-3に対する揮発性麻酔薬セボフルランの影響とケタミンの影響について調査した。 その結果、セボフルラン2%6時間暴露の直後及び48時間後で有意にHSC-3のviabilityが低下し、またケタミン48時間暴露でも100μMで有意にviabilityが低下することを確認した。セボフルランについては以前の肝細胞癌株を用いた我々の研究においては有意差を認めなかったことから、癌細胞株によって作用が異なる可能性が考えられた。これらの原因について、NF-κBやVEGF、グルコースの取り込み(インスリン存在下)等の関連による機序を仮説として立て、現在調査中である。
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